インサイトテクノロジーは2月8日、記者会見を開き、データ統合基盤「Insight Governor」の提供を開始したと発表した。部門やシステムごとに管理されているデータを統合し、活用しやすい形で管理できる。日本語の取り扱いに強いAIを搭載し、同一の人物や企業などを判別する名寄せ作業などの自動化が可能。データ整備にかかる工数を削減できるとした。

　Insight Governorは、非構造化データも含む企業内のさまざまなデータを一覧化・可視化し、必要に応じてデータを取り出せる基盤。250超のデータソースへのコネクタを搭載する。日本語のデータに対応したAIにより、自動的に表記ゆれを分析し、名寄せ候補を発見するほか、個人情報の匿名化・仮名化や機密情報の秘匿化を行うことができる。加えて、メタデータを自動的に付与することにより、検索の利便性を高めることができる。異なるデータベース間でSQLの互換性や性能・クエリ結果の整合性をテストする機能も搭載した。


　セキュリティ面では、データのマスキング機能のほか、閲覧権限や操作権限の柔軟な制御が可能。すべての操作履歴を記録するため、不正行為の早期発見や情報流出時の経路特定、被害状況の早期把握につなげられる。

　今後は拡販に向けて、販売パートナーに対するサポート体制を強化し、勉強会なども実施する。またコンサルティングに強みを持つパートナーの獲得も視野に入れ、顧客のデータ活用を支援していくとした。

　プロダクト開発本部の高橋則行・本部長は「顧客からは、企業内の部門ごとにデータ管理ツールやBIツールが乱立しており、それらのデータの統合時には人力で名寄せをするなど、膨大な手間がかかってしまうという話を聞く」とした上で、「全社的なデータ活用を進めるために本当に必要なものはデータ活用のためのインフラだ。（Insight Governorにより）BIツールなどにデータを供給する大本を、効率的に整備できる」と強調した。
（大畑直悠）