オージス総研は行動観察とAIツールを組み合わせたコンサルティングサービスに力を入れている。行動観察による現状分析に加え、AIツールによってターゲットとする顧客属性を割り出し、「見込顧客の判別支援などに役立てる」(保手浜勝・行動観察リフレーム本部コンサルティング企画開発部部長)ことでビジネスを伸ばす。店舗開発のほかにも自動車や住宅など耐久消費財の販売、社会インフラのサービス創出に役立てられるとみている。
保手浜勝部長(右)と和泉泰範マネジャー
例えば自動車ディーラーの成績優秀な営業担当が、顧客とどのような会話を通じて商談成立に結び付けたかなど、行動を観察して会話内容の特徴点を抽出。そのデータをオージス総研が開発した「見込顧客の判別支援サービス」のAIツールで分析することで顧客属性を可視化し、成約率向上に向けた施策を打てるようにする。
AIツールは顧客が独身か家族持ちかといったいくつかの特徴を入力すると、顧客のおおまかな価値観や嗜好を割り出す。「熟練の営業担当なら誰でもやっていること」(保手浜部長)という。AIツールを使うことで、非熟練の営業担当でも顧客属性を割り出すかぎとなる情報が得られる。
ほかにも小売りの店舗開発や社会インフラ、公共サービスの設計など「高額な耐久消費財の販売や、比較的大規模なビジネス開発でより効果を発揮しやすい」(和泉泰範・行動観察リフレーム本部コンサルティング営業部営業チームマネジャー)。行動観察によって熟練のノウハウを抽出してAIツールと組み合わせ、実効性の高いコンサルティングサービスを提供する。
類似のAIツールは他社でも開発しているが、「行動観察に長けたベンダーはそう多くない」(和泉マネジャー)といい、強みを生かしてビジネスの拡大を狙う。大型案件を中心に向こう3年で10案件ほどの受注獲得を視野に入れている。
(安藤章司)