ブロックチェーン開発のためのクラウド型プラットフォームを提供するベルギーのSettleMint(セトルミント)は、日本における本格的な事業展開を開始した。8月3日に記者会見を開き、マシュー・ヴァン・ニーカーク・共同創業者兼CEOや日本法人SettleMint Japanトップの森田大樹・VPが市場への期待や展望を語った。エンタープライズ向けビジネスを推進し、年内に10~20社での採用を目指す。パートナー開拓にも注力する方針だ。
SettleMint マシュー・ヴァン・ニーカーク CEO
セトルミントの基盤はブロックチェーンのインフラとアプリケーションをローコードで開発・展開するために必要な要素をワンストップで提供し、高速での開発・本番運用を実現する。主要パブリッククラウドやオンプレミス上でのブロックチェーン構築が可能で、アプリを既存のデータベースや基幹システムに接続することもできる。森田VPは「エンタープライズ領域で求められる速度、信頼性、柔軟性を兼ね備えている」と強調。グローバルではすでに100以上のユースケースが本番稼働に至っているという。
SettleMint Japan 森田大樹 VP
パートナー戦略については、富士通の出資を受け、グローバルで協業を進めており、技術面での連携や業界特化型基盤の提供、ローカライゼーション、日本語サポートなどで協力する。他のパートナーも積極的に獲得する考えで、セトルミントの基盤を活用してエンドユーザーのブロックチェーン関連プロジェクトを支援するSIerらを増やしていく狙いだ。
ニーカークCEOは世界のブロックチェーン市場が今後大きく成長するとの見通しを示した上で、「日本市場には長期的に投資していく」と述べた。
会見では富士通の神俊一・グローバルビジネスソリューションビジネスグループクロスインダストリーソリューション事業本部長も登壇。富士通では業種横断型のブロックチェーンによる社会課題の解決に力を入れているとし「セトルミントと一緒に取り組むことで、新しいビジネスができると思っている」と期待を寄せた。
(藤岡 堯)