KDDIは9月5日、法人事業説明会を開催した。来春をめどにデータ活用のプラットフォームを提供し、国内企業のDX加速を支えていく方針を示した。生成AIの導入支援や脱炭素推進にも注力する。
同社は、新しい取り組みとして、2024年春をめどに、データ活用に向けた「次世代プラットフォーム」を提供する考えを明らかにした。また、顧客企業が生成AIを導入する際の支援を強化すると説明。カーボンニュートラル実現のための新たなソリューションも発表した。
桑原康明 専務
取締役執行役員専務の桑原康明・ソリューション事業本部長兼グループ戦略本部長は「国内企業の競争力を高めるため、DXをより加速する必要がある」と指摘。ネットワークやクラウド、生成AI、認証機能といった協調領域については、個社が投資するのではなく、サービスとして共通利用できるプラットフォームを活用することで、企業は事業活動のスピード向上とコスト削減を実現し、競争部分に投資を集中できるようになると強調。さらに「次世代プラットフォームでは、さまざまなベンダーと連携したり、生成AIを活用したりすることで、業界ごとの共通領域機能を提供していきたい」とした。
同社の法人向け事業は、5Gなど各種通信サービスの「コア事業」と、コーポレートDXやビジネスDX、事業基盤サービスによる「NEXTコア事業」で展開。NEXTコア事業は前年比20%以上の成長率で、法人事業全体の38%を占めている。
桑原専務は「法人事業はNEXTコア事業をベースに成長している」と述べ、さらなる成長に向けて引き続き注力する考えを示した。DX支援における自社の強みについては、▽顧客接点の多さ▽データの収集・蓄積・分析・活用をグループ企業内で一気通貫に対応できる▽モバイル利用者にサービスをアドオンで提供できる―の三つを挙げた。
(堀 茜)