ヨドバシカメラの藤沢和則社長は10月27日、SIerのクリエーションライン主催のイベントに登壇し、「ヨドバシAPIがつなぐ社会~疎結合なのに一体感」と題した講演を行った。店頭やネット通販、物流倉庫、売り場の一部を貸し出すテナント業、金融サービスなどさまざまな事業を手掛けるヨドバシカメラは、提携先企業の業務システムとAPIでつながることにより、業務の効率化や、新しい付加価値を創出するプロジェクトを進めている。
ヨドバシカメラ 藤沢和則 社長
API連携の設計に当たっては、米国で標準化され“事実上の標準”として通用するオープンな技術を採用し、「2040年まで使えるアーキテクチャー」(藤沢社長)を念頭に開発を進めている。開発を担当するヨドバシリテイルデザインの戸田宏司・サービスデプロイメント事業部事業部長は「常に経営者とともに設計、開発のプロジェクトを進めている」体制だと話す。
ヨドバシリテイルデザイン 戸田宏司 事業部長
経営層がプロジェクトに参加することで、現場の技術者目線で「やりたいことがあっても複雑な承認フローに心が折れることはなく、経営と現場が一体となってスピード感をもってにシステム開発に取り組んでいる」(戸田事業部長)と、さまざまな場面で提携先企業とのシステム連携を加速させる。
クリエーションライン 安田忠弘 社長
ヨドバシカメラの直近の店頭とネット通販の売上構成比はほぼ7対3だが、ネット通販の伸び率が大きいことから、将来的には5対5になるとみている。ヨドバシホールディングスが一部出資するクリエーションラインの安田忠弘社長は「人と組織が有機的につながり、デジタルを活用することで企業の構造変革が進む」と指摘している。
(安藤章司)