BPO事業などを手掛けるワークスアイディは、次世代型のBPO事業「BPaaS(ビジネスプロセス・アズ・ア・サービス)」を始めて約3年で、ユーザー企業が30社余りに達したと明らかにした。BPaaSは、ユーザー企業とともにデジタル変革を遂行し、変革した業務の運用をBPOとして請け負うサービス。既存の業務を切り出して請け負う従来型のBPOとは異なり、「先進的なデジタル技術を駆使した業務を変革するBPOサービス」(池邉竜一社長)なのが特徴だ。
池邉竜一 社長
BPaaSの活用例を見ると、▽ネット通販を手掛ける会社でAIエンジンを更新して検索やレコメンド性能を高める▽ビッグデータ分析で需要予測を行い経営ダッシュボードに分かりやすく表示▽大量の日報を生成AIで要約したり、傾向値や異常値を検出したりする仕組み-などが挙げられる。いずれも既存の仕組みと並行して新システムをユーザー企業と協業して立ち上げ、投資対効果を検証した上で本稼働し、運用保守をワークスアイディが担っている。
本業に忙しい多くのユーザー企業では、デジタル変革に割り当てられる人材が限られていることから、新システムの稼働後、「ユーザー企業の担当者が速やかに次のデジタル変革プロジェクトに移れる」(池邉社長)点が評価されている。新しい技術やツールを積極的に導入し、請け負った業務の自動化、省力化に活用することで運用コストの削減にも努めている。
ワークスアイディの従業員数は現在約500人で、うち半数はBPO関連、ほかはアプリ開発やデータ分析、IT基盤構築などに従事。BPaaSではユーザー企業が必要とするスキルを持つ人材を社内から集めてプロジェクトを組んで推進しており、直近では100人余りがBPaaS事業に従事している。同社では向こう3年でBPaaSユーザーを累計100社に増やしていく目標を掲げている。
(安藤章司)