ギブリーは、米OpenAI(オープンエーアイ)の「ChatGPT」を活用した生成AIサービス「GAI」シリーズのユーザー数が、サービス開始から1年弱で350社余りに達したことを明らかにした。業界に先駆けてChatGPTを活用した商用サービスを始めたことで「問い合わせが急増し、利用社数も伸びた」(取締役の山川雄志・オペレーションDX部門長)という。
山川雄志 取締役
同社は、2023年4月に民需向け生成AIサービス「法人GAI」と、自治体向け「行政GAI」の提供を始めた。この1年で約200種類の業務テンプレートを作成。業務の内容に合わせてGAIシリーズをスムーズに使えるように支援したことが販売増を後押しした。
営業用のテンプレートの一例では、商談の進ちょく状況や営業先の予算規模、意思決定者などを入力すると、営業日報が自動生成される。生成AIの活用で必要となる指示文の知識がなくても、業務で生成AIを使えるのが特徴。商談内容の要約や、次の商談で提案すべき内容を列挙させることも可能だ。
GAIシリーズのユーザー層をみると「業種・業務にあまり偏りがなく、幅広く使ってもらえている」(同)。取り扱う書類が多い金融や行政では業務効率化の一環で活用したり、製造業では製品開発の資料整理などへの応用が進んだりしている。
販売面では、24年1月にSB C&S経由で全国約1万3000社の販売パートナーが法人GAIと行政GAIを取り扱えるようにした。現状は直販やビジネスパートナー数十社程度の販売網だが、「販売パートナーとの協業を進めて地域の中堅・中小企業や自治体などとの顧客接点を強化していく」(同)ことで、向こう1~2年でユーザー数累計1000社の獲得を視野に入れる。
(安藤章司)