仏Schneider Electric(シュナイダーエレクトリック)の日本法人は4月1日、モジュラー型UPS(無停電電源装置)「APC Smart-UPS Modular Ultra」と、単相UPS「APC Smart-UPS Ultra」シリーズの新製品の国内販売を開始した。リチウムイオン電池を採用したことで、従来の製品に比べより長期間、メンテナンスなしで利用可能になったほか、小型化、軽量化を実現した。医療機関や研究機関、コールセンターといったUPSを利用している組織をメインに販売の拡大を目指す考えだ。
APC Smart-UPS Modular Ultra
APC Smart-UPS Modular Ultraは、電源部とバッテリーをそれぞれ個別のモジュールとして提供することで、4.4kVAから17.6kVAまで段階的に拡張できるのが特徴だという。これにより、スモールスタートで徐々に拡大していきたいというニーズや、GPUサーバーなどの利用拡大により電力の増強が必要なった際に柔軟に対応できるようになるとした。
リチウムイオン電池の搭載で、バッテリー寿命は鉛電池を採用していた既存製品の4倍となる最長10年間となり、IT運用者の負担軽減、コスト削減につながるとしている。既存製品から、約53%の小型化、約59%の軽量化にも成功し、床耐荷重などの条件が限られる環境にも導入できるとした。素材にはリサイクル原料を使用しており、セキュアパワー事業部の今井歩・バイスプレジデントは「当社のサステナビリティー戦略にマッチした製品だ」と強調した。
APC Smart-UPS Ultraシリーズには、新たに8kVAと10kVAの二つの容量帯の製品を追加した。APC Smart-UPS Modular Ultraと同様にリチウムイオン電池を採用しており、長期間の利用が可能だとしている。これに伴い、標準製品保証の無償期間は5年とし、オプションにより最大10年まで延長できるようにした。今後も、リチウムイオン電池を搭載したUPSのラインアップ拡充を予定する。
(岩田晃久)