データ入力業務を手掛ける会社で構成する日本データ・エンジニアリング協会(JDEA)は、データの検証可能性、精度、信頼性など顧客の要求度合いに応じて適性な料金を算定するモデル料金表「データ・エンジニアリング料金積算のための資料」を3月28日に公表した。従来は入力する文字単価をベースに積算していたが、今回はデータの要求精度や作業工程の多寡、必要となる人材スキルを料金に反映する仕組みに改めた。JDEAは1971年から料金資料を毎年発刊しているが、文字単価以外の要素を全面的に料金に反映するのは今回が初めて。
要求度合いでは(1)元データと内容が一致しているかの確認、検証が可能なデータ(2)誤入力率10万分の3以下を実現した高精度データ(3)第三者が認証した高信頼データーの3段階を定義。作業工程で見ると(1)が最も工程が少なく(2)、(3)へ進んでいくほど工程が増える。人材スキルでは単純な入力作業を担う人材から、高精度や高信頼の部分を担当する高度人材まで人月費用80~300万円の幅でランク分けし、それぞれのランクに求められるスキルセットの概要を開示した。
河野 純 会長
村岡宏哲 委員長
河野純会長(電算社長)は「実際の商談では、『この部分は普通レベルの精度でよいが、この部分は第三者に認証してほしい』などと組み合わせることが多く、今回の料金資料では顧客の要望に応じたマトリクス方式で適性料金を算出できるようにした」と説明。活性化委員会の村岡宏哲・委員長(ワイシーシーデータサービス代表取締役)は「今後は人材スキルセットの詳細を詰め、JDEAで認定試験を実施していくことも視野に入れる」と人材育成支援にも取り組んでいく。
(安藤章司)