シトリックス・システムズ・ジャパンは6月10日、事業戦略説明会を開催した。主力のVDI(デスクトップ仮想化基盤)製品だけでなく、セキュリティーなど多くの機能を統合し、複雑化したIT環境をシンプルに管理できる業務プラットフォーム製品として提供する方針を示した。販売面では、国内の既存エンタープライズ顧客向けにアップセルを図っていく。
提供するのは、「Citrix Universal Hybrid Multi-Cloud」と「Citrix Platform License」の二つのサブスクリプションモデル。シンプル化された高付加価値な業務プラットフォームとの位置付けで、VDIに加え、顧客のニーズが高いZTNA(Zero Trust Network Access)ソリューションなどを包含した。
前者はエンタープライズ企業が必要な機能を網羅し、従来のユースケースを最大限活用できる機能をそろえた。後者は、拡張性を最大化。SaaSが普及し、ブラウザーが業務の窓口となるケースが増える中、企業向けにセキュリティーが高いブラウザーと管理機能を提供する「Chrome Enterprise Premium」をプラットフォーム上から直接利用可能で、ブラウザーセキュリティーまで一貫して提供できる点が強みだとした。働き方が多様化する中、場所や使用するデバイスを問わずセキュアにシステムにアクセスできる環境を実現する。
平井恵介 ジェネラルマネージャー
平井恵介・ジェネラルマネージャーは「当社は単なるVDIベンダーではなく、真の業務プラットフォームベンダーに変革している」と強調。販売戦略については「国内に約40社あるエンタープライズの既存顧客とともに成長を目指していく。従来のセールスのように新規の顧客を開拓するより、既存顧客に新しく提供する価値を届けたい」と述べた。新規拡販や中堅企業などへの販売は、Citrix製品の国内での販売を担うCXJが担当するとした。
(堀 茜)