クアルコムシーディーエムエーテクノロジーズは7月8日、メディア向けラウンドテーブルを開催した。4月に入社した井田晶也・PC Business統括本部長が、国内でのPC拡販の戦略を説明。認知度向上による国内シェア2桁獲得を目指し、半導体の性能の高さや利用できるアプリケーションが増えている点などを広くアピールしていく方針を示した。
米Qualcomm(クアルコム)はPC向け半導体として、Armアーキテクチャーの「Snapdragon X」シリーズを展開。同シリーズは全グレードに45TOPSの高性能NPUを搭載しており、米Microsoft(マイクロソフト)の最上位AI PC「Copilot+ PC」にも採用されている。
井田晶也 統括本部長
井田統括本部長は、自社のPC向け半導体の強みについて、多くの実績があるスマートフォン向けなどモバイル製品用の技術が、PCの領域を変革するのに活用されている点だと説明。Snapdragonはパフォーマンスの高さと長時間のバッテリー駆動を同時に実現しているとした上で、「AI時代のコンピュートの可能性を切り開く役割を担っていきたい」と展望した。
クアルコムの半導体を使ったPCの国内シェアは「現状数パーセント程度」(井田統括本部長)だという。グローバルで流通するアプリケーションは、ほとんどがクアルコム製半導体を搭載したPCに対応しているが、日本などドメスティックな市場に向けたアプリやプリンターのドライバーなどは、対応がこれからになる製品もある点が課題。ISVやプリンターメーカー各社と議論を続けており、随時対応していく見通しだとした上で、「数年後にシェアを2桁に乗せたい」との目標を掲げた。
法人向け市場に展開する課題として、実際は対応するアプリケーションが多いにもかかわらず、動かないと認識されているケースが多い点を挙げ、「丁寧に説明し、グローバルで当社製品を一括採用している企業の日本法人などから働きかけていきたい」と述べた。
(堀 茜)