東芝は7月4日、製造業向けのスマートマニュファクチャリング事業領域の取り組みを記者向けに説明し、東芝グループがメーカーとして蓄積してきた知見を生かした生成AIやAIエージェント製品の開発を推進する方針を示した。サステナビリティーの意識の高まりを受け、サプライチェーンマネジメント製品の提供に力を入れる考えも明らかにした。
同社は画像分類や人物認識、電力需要予測など強みを持つAI技術を製造業向けに展開する「Meisterシリーズ」の各製品の中に取り込むことで業務効率化やナレッジの活用の支援を進めてきた。最近では、生成AI製品の開発も進めており、マニュアルや過去のレポートなどを学習した生成AIアシスタントと、現場作業員が音声で会話しながら作業する仕組みの構築を進めている。
AIエージェント製品の開発にも取り組んでおり、製造工程の向上を支援するソリューション「Meister Apps 工程改善アシストパッケージ for SMTライン」に実装する。各装置から収集した設備データを統合管理し、ダッシュボードを作成できるもので、今後はAIエージェントを加え、蓄積したデータから改善点を提案したり、トラブル時の調査と対策案の作成を支援したりできるようにする。
東芝デジタルソリューションズ
岸原正樹 技師長
東芝とともにグループ内で製造業支援の事業を担う東芝デジタルソリューションズの岸原正樹・スマートマニュファクチャリング事業部技師長は「東芝グループが蓄積してきた知見をAIエージェントに落とし込み、トラブル発生時にベテラン技術者が不在でも対応できるようにしたい」と説明した。
このほか、サプライチェーンプラットフォーム「Meister SRM ポータル」の販売に力を入れる姿勢を示した。サプライヤーの情報が多重構造となっていても、階層を問わず一元的に統合・管理でき、CO2排出量の可視化や電子見積もりを作成してAIで分析し、サプライヤーとの価格交渉を支援する。コミュニケーション基盤としての役割も担い、災害発生時などに影響の把握や迅速な対応を支援する。
パートナー戦略については、Meisterシリーズの販売を担うセールスパートナーに加え、パートナーが持つ商材やサービスを組み合わせて付加価値を高めるビジネスパートナーとの連携を強化する。サプライチェーン関連のビジネスでは、Meister SRM ポータルがカバーするデータの可視化やコミュニケーションといった機能以外の商材を持つパートナーとの連携による相互送客に期待を示す。具体的にはカーボンニュートラル関連の情報のレポートや決済といったサービスを提供するパートナーと連携する。決済関連では、すでにパートナーと連携して販売した実績があり、今後ビジネスの本格化を目指すとした。
(大畑直悠)