米Candex(キャンデックス)は日本市場に本格参入し、調達業務を集約・自動化するSaaSソリューションを展開する。エンタープライズが抱える大量の購買手続きを簡素化し、迅速な購買体験を提供する。7月8日、事業戦略説明会を開き、ジェレミー・ラッピンCEOが「日本は大きなチャンスがある」と意気込みを示した。
米Candex
ジェレミー・ラッピン CEO
大企業は取引件数が膨大で、単発で終わる案件もある中、仕入先の登録や管理が煩雑になりやすい。同社のソリューションは取引の間に入り、調達のたびに発生していた個別のやり取りを一元的な管理に置き換える。ユーザーは既存の購買システムの画面で、カテゴリーや商品概要、取引先のメールアドレス、金額を入力すると注文が完了し、取引先に発注を伝達できる。発注書、請求書のやり取りや支払いも同社を介して行い、注文から支払いまで一連のプロセスが完結する。取引状況の整理にも役立つ。
同社によると、日本の企業では「テールスペンド(非計画購買)」と呼ばれる少額や少量、一回きりの取引にかかる管理コストはあまり意識されていないものの、実態としてはこうした取引には煩雑な処理が伴い、大きな負担になっているという。ラッピンCEOは、日本のグローバル企業から求められているとし、「プロセスと精緻なデータを重視する日本にフィットするだろう」と語った。
Candex Japan
北本大介 代表
同社は2011年に創業し、50カ国以上にサービスを広げている。日本市場はCandex Japanが手掛ける。北本大介代表は「業種を問わず使っていただけるサービスだ」と訴求力の高さを強調し、直販によるシェア獲得に意欲を見せた。
(春菜孝明)