SaaSベンダーでパートナー販売に関わるビジネスパーソンが、パートナーとの関わり方を議論するコミュニティー「パートナーセールス研究会」が活発に活動している。横のつながりを拡大してノウハウを共有し、パートナービジネスを活性化することを目指しており、ベンダー同士のアライアンス拡大も促進している。
同研究会は2024年2月にスタートした。発起人で、パートナー販売のコンサルティングを手掛けるsynergeeeの葛西了太代表取締役は、コミュニティーをつくった背景について「SaaSベンダーは直販からスタートし、どこもパートナー販売は手探りで、Web上にも情報がなかった」と説明。自身が前職のビズリーチ在籍時にパートナーセールスに関わったが、ノウハウが分からず苦労したことを解決したいと考え、研究会を始めたという。
研究会には約500人が参加している。2カ月に1回程度ウェビナーや対面の交流会を開催。9月に実施した「パートナーサミット」には約400人が参加し、サイボウズとBox Japanのパートナーセールス責任者の対談や、大塚商会など販売パートナー側がどのような企業・商材との共創を望んでいるのかについて議論するセッションなどを実施した。
synergeee
葛西了太 代表取締役
葛西代表取締役は、SaaSベンダーが共通して抱える課題として、パートナー契約を結んでも具体的な販売につながらない点を指摘。パートナー販売が成功するためには、「ベンダーとパートナーが、お互いの事業課題や方針を腹を割って話し合い、目線を合わせることが重要だ」と解説する。一方で、多数の商材を抱えるディストリビューターに注力して販売してもらうのは、現実としてハードルが高いとして「研究会として、ベンダー同士のアライアンス拡大も促進していきたい」と展望している。
(堀 茜)