日本広明社(水野裕晃社長)が提供するインターネット広告サービス「ADcolors.com(アドカラーズドットコム)」が注目を集めている。2001年12月末の時点で広告代理店契約数は3200サイトを超える。掲載広告は平均クリック率が3.6%で、高い広告効果が得られるサービスとなっている。今年1月からは、小規模なクライアントをターゲットとした「ADcolorsLight(アドカラーズライト)」を追加。クライアントは月額5000円から広告を申し込むことができる。同社では、この新サービスで初年度2300万円の売り上げを見込んでいる。(佐相彰彦●取材/文)

交通広告や電柱広告に特化、ノウハウを生かしネットに参入

 日本広明社が設立されたのは1937年。創業以来、総合代理店として、テレビ・ラジオのCMや新聞・雑誌広告などの「マスメディア広告」をはじめ、交通機関の社内ポスターや駅ポスターなどの「交通広告」、電柱や巻看板などの「電柱広告」を中心に広告業務を手がけてきた。

 水野社長は、「クライアントを1件1件回る営業活動を行い、クライアントに高い広告効果を提供することに注力した」と話す。そのため、「比較的ニッチで低価格な媒体を得意とする」と語る。クライアントに対し、さらに効果的な広告サービスを提供するために、00年7月からインターネットを活用した広告サービス「アドカラーズドットコム(http:/www.adocolors.com/)を手がけている。

 このサービスは、当初300サイトとの広告代理店契約でスタートし、昨年12月末の時点では3200サイトを越える代理店契約を獲得している。掲載広告の平均クリック率は3.6%。高い広告効果が得られるサイトとしてクライアントから評価を得ている。

 「アドカラーズドットコム」は掲載サイトのジャンルカテゴリーを3階層に細分化し、サイト個別の特性データをクライアントの掲載希望データに合わせる。

 広告の掲載は、クリック保証でなく広告掲載期間を保証する方式を採用した。期間限定キャンペーンに合わせた広告出稿といた期間重視の広告を対象とし、広告掲載終了後はページビューやクリック数などの広告データをクライアントに提供する。

 出稿先となる個人運営のウェブサイトにとっては、副収入が期待できる。クライアントは、ニッチな市場に向けてターゲット広告を打ちことができるメリットがある。

 水野社長は、「創業以来の既存の広告業務を生かした、自社ならではのビジネススタイルをとっている。例えば、販売促進を行うためにインターネット広告を掲載しようとする企業の場合、平均1万クリックをもち、100万人のさまざまな特性をもつユーザーが訪れる検索サイトに掲載するよりも、その商品に興味をもっているユーザーが訪れるサイトに広告を載せ、1000クリックあったほうが収益につながる」と強調する。

セルフオーダー制のサービス BtoB向け電子商取引も視野に

 「アドカラーズドットコム」では、専門性が高いサイトに広告を載せることが最大の特徴になっている。

 ある旅行代理店では、利幅が大きいといわれるタヒチツアーへの旅行客を獲得するため、「アドカラーズドットコム」を利用し、タヒチを紹介する個人が運営するポータルサイトへの広告掲載を行った。このサイトのアクセス数は月平均3万5000ページビュー。効果は、掲載した広告のクリック率が5.4%、280組近くの旅行客を集めたという。目的意識が明確なユーザーを確保することで、利益率が高い旅行客の獲得につながった。

 ほかの業種では、中華惣菜メーカーが「アドカラーズドットコム」を通じて、主婦とグルメの属性をもつサイトに広告を掲載。サイトオーナーがこのメーカーの中華惣菜を試食し、サイトに感想を掲載した。

 この結果、広告のクリック率は3.3%に達したという。

 広告掲載料は、月額1万円からとなっており、掲載するサイトによって異なる。

 同社では、さらに新サービスとして、今年1月10日から「アドカラーズ・ライト」を開始した。

 新サービスは、小口のバナー広告をウェブ上で申し込める。クライアントは、「アドカラーズドットコム」のサイト上で無料の会員登録を行い、IDとパスワードを取得。「生活」や「旅行」、「健康」、「スポーツ」など14カテゴリー、140の個人サイトからバナー広告の掲載を希望するサイトを選択して申し込む。同社に有料のバナー広告の作成を依頼することも可能となっている。

 広告掲載料は月額5000円からと低価格に設定し、小口広告を掲載する際に最適なサービスとした。

 同社では中小規模や個人商店などをターゲットに、ネット広告をさらに活性化させる構え。

 水野社長は、「新サービスは4月で100件の申し込み、年末までに300件を見込んでいる。初年度に2300万円の売上高を目指す」と意気込む。

 広告代理店契約は、「アドカラーズ・ライト」を含め02年中に5000サイトを見込んでいる。

 ネットを活用した広告代理店業務について、水野社長は「3000サイトと広告代理店契約を結んでいるため、さまざまな展開が期待できる」という。

 将来的には「『アドカラーズ・ライト』に電子商取引機能を追加し、クライアントとサイトオーナーをマッチングさせるような電子商取引なども検討していきたい」と、BtoB向けの電子商取引も視野に入れた展開を計画している。

 最近は、ネット広告サービスを提供したことにより、既存の媒体広告の受注依頼も申し込むといった相乗効果がでてきている。

COMPANY DATA
日本広明社

 1937年9月1日に設立。資本金3000万円。当初は「寿商会」という社名で、東京市(現東京都交通局)と鉄道省(現JR)の広告指定代理業務許可を取得。
 50年、「日本広明社」に社名変更。53年に日本電信公社電柱(現NTT)の広告指定代理業務許可を取得し、交通広告から屋外広告まで業務を拡大する。55年には、テレビ・ラジオ広告の分野に参入した。

 水野裕晃氏は、98年に代表取締役社長に就任。水野社長は、インターネットの分野に需要があるとにらみ、00年7月にインターネット広告サービス「アドカラーズドットコム」の運用を開始する。02年1月からは、低価格の広告掲載を実現したサービス「アドカラーズ・ライト」を新しく追加した。02年までには、5000サイトとの広告代理店契約を果たす計画。