01年米IT市場はネットバブルも弾け、フォレスター・リサーチによると01年米IT投資は前年比14%も減少した。多くの米IT企業業績も減収減益に追い込まれたが、各トップ経営者に支払われたストックオプションを除く報酬(ボーナスを含む)は相変わらずきわめて高額で、業績不振にもかかわらず額はむしろアップした。

米IT企業トップの報酬

 02年7月米CRN紙は米ハイテク企業トップの01年報酬ランキングを発表した。IT業界トップで突出して巨額報酬を受けたのはアップルのスティーブ・ジョブスCEOで、01年報酬は4351万ドル(1ドル120円換算で52億円)であった。同CEOの01年報酬はアップルが業績回復途上にあることを理由に1ドルであった。従って01年の超高額報酬は2年分とも考えられるが、それでも年平均は26億円を上回る額だ。

 第2位はIBMのルイス・ガースナー前CEOで、02年報酬は前年と変わらない1000万ドル(12億円)であった。第3位はITサービス世界市場の専業最大手EDSディック・ブラウンCEOで850万ドル(10億2000万円)である。EDSは世界ITサービス市場で徐々にトップIBMを追い上げ高収益会社に復活したため、前年比73%アップとなった。第4位はガースナー氏の後継が決定したIBMサム・パルミザーノ社長(当時)の410万ドル(4億9200万円)であった。

 IBMでも会長、CEOを兼務するガースナー氏と社長パルミザーノ氏では報酬に2倍以上の開きがあった。5位以下にはオラクルのサージオ・グラコレット執行副社長、ピープルソフトのクレイグ・コンウェイCEO、オラクルのエドワード・サンダースン執行副社長、インテュイットのスティーブ・ベネットCEO、アリバのロバート・カルデローニCEO、EDSのジェフ・へラー副会長と続く。

 このような高額トップ報酬ランキングにはマイクロソフト経営者の名はない。しかし保有株式時価総額(02年5月21日現在)ランキング1位にはビル・ゲイツ会長345億ドル(4兆1400億円)、2位はスティーブ・バルマー社長125億ドル(1兆5000億円)、第4位はデルのマイケル・デル会長82億ドル(9840億円)、第5位はインテル創業者ゴードン・ムアー氏51億ドル(6120億円)が名を連ねる。

 米企業はエンロン、ワールドコムに続き、クエスト、AOLなどにも不正会計の疑いが強まっている。そんななか、異常に高いITトップ報酬にも株式市場から非難の声が強まっている。IT不況で米有力IT企業の副社長クラス報酬は下降傾向にあり、同クラス平均は25万ドル(3000万円)程度といわれている。経営幹部とトップでは報酬にわが国では想像できない程の大きな格差がある。