元気印のインテグレータ

<元気印のインテグレータ>第23回 大和コンピューター

2002/12/09 16:04

週刊BCN 2002年12月09日vol.969掲載

CMMのレベル3を取得

 ヒノキ張りの床の下には備長炭が敷き詰められ、天井からはイオン発生器がぶら下がっている。給湯室には大型の業務用浄水器を据え付け、壁の裏側には電磁波を通しにくい金属シート。まるでどこかの実験室のようだが、実はこれ、大和コンピューター(中村憲司社長)の社内である。

 ソフトの品質と作業効率を高める環境を突き詰めた結果、ヒノキ張りや備長炭、イオン発生器に行き着いた。他にも、小さいながらもゆっくり休める社宅や、通勤に便利なようにと東京と大阪にサテライトオフィスをつくった。

 中村社長は、「欧米の有力ソフトベンダーは、本国でソフトを設計したのちに、海外で安く開発したものを日本に売り込んでくる。価格が安いだけでなく、完成度が高いものも多い。価格面に限っては、とてもわれわれ中堅ソフトベンダーには太刀打ちできない。だが、品質では対抗する余地がある。質の点で最高のソフトをつくれば、相応の対価を得られるはず」と考える。

 2001年7月に品質管理の「ISO 9001」(品質マネジメントシステムの国際規格)を取得した。02年1月にはソフトウェア開発プロセスの成熟度モデル「CMM」のレベル3を取得した。「社員の6割以上を動員し、ISO9001やCMMに基づく業務プロセスの改善を行った。両資格の取得で1億円を超える資金を投入した」という。

 約180人の社員のうち、半数以上の100人がJava(プログラミング言語)を習得している。昨年度(02年7月期)の売上高は15億円で、安定した収益を維持。3年後の05年7月期には売上高20億円に増やし、利益率も高める。

 「CMMレベル3以上を取得する企業は、大手でもまだ少ない。当社はわずか6か月で取得した。規模は中堅ながらも、品質で競合大手を打ち負かす」と意気盛んだ。(安藤章司)
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