“一技の長”を探る システム構築ビジネス争奪戦

<“一技の長”を探る>24.ジービーアール

2003/10/06 20:43

週刊BCN 2003年10月06日vol.1009掲載

 ここまでスーパーストリームを知り尽くしたシステムインテグレータはほかにない――。財務会計を中心とした国産統合業務パッケージ「スーパーストリーム」の開発元であるエス・エス・ジェイ(SSJ)が、こう認めるのが独立系システムインテグレータのジービーアール(GBR、茂内将平社長)である。

スーパーストリームを知り尽くす

 スーパーストリームは、国内約3000社を超える納入実績を誇るパッケージソフト製品だ。この最も初期の製品は、GBRのメンバー約70人が総力を挙げて開発した。

 1993年、GBRは、当時主流だった基本ソフト「MS-DOS」上で動作する財務会計を中心とする統合業務ソフト「ミスターシリーズ」を開発していた。しかし、時代はウィンドウズへと移行しており、GBRでは、SSJの前身であるダン&ブラッドストリート・ソフトウェア(DBS)と93年7月に業務提携。ミスターシリーズをベースにウィンドウズ上で動く最も初期のスーパーストリームを93年末に開発した。

 94年3月には、一般会計に加え、支払管理、債権管理、固定資産などの主要モジュールを製品化。すぐに、インテックやCSKなどの大手が反応を示し、本格的な販売に乗り出した。94年から98年までは、DBSが社名変更したディー・アンド・ビー・テクノロジー・アジア(現SSJ)にGBSの社員の大半が常駐し、開発やサポートに当たった。

 井澤昌則・取締役は、「われわれは、スーパーストリームの“生みの親”だという自負がある。これまで何度かその版権をもつSSJから『傘下に入らないか』と声をかけられたが、断ってきた。独立系システムインテグレータとして、スーパーストリームの導入や統合基幹システムの構築ノウハウは、他社を寄せつけないものがある」と自信を示す。

 同社は現在、約40社のユーザー企業のサポート業務を請け負っている。しかし、このうちの多くは、他のシステムインテグレータが販売したスーパーストリームのサポートで占める。

 「成長を維持するには、これまで通り、他のシステムインテグレータの導入支援の提供やコンサルティング業務の受注に加え、年間で最低5社以上は、自らの力で新規顧客を開拓し、直接納入できるようになることが重要。スーパーストリームに関する豊富なノウハウを武器に、顧客の開拓に力を入れる」と意気込む。(安藤章司)
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