大遊泳時代

<大遊泳時代>第31回 時差は金なり DVD/HDDとPDP/LCDでアテネを見よう

2004/08/09 16:18

週刊BCN 2004年08月09日vol.1051掲載

松下電器産業 役員 前川洋一郎

 日銀短観やエコノミスト予測で、今年度実質GDP3-4%成長の声も出始めた。これまでの国民の我慢、企業リストラ不良圧縮、加えて中国特需のお蔭だが、何といってもデジタル、エコロジーの家電を中心とした個人消費の増伸が大きい。昔から電機業界ではシリコンサイクルとは別に、五輪サイクルがあり、中でもAV(音響・映像)業界はピークを迎える。今回はその山が大きく、高原状態が続きそうである。なぜならば、前回シドニーの時は、BSデジタルは試験放送で、地上デジタル放送はまだなかった。録画はVHS、距離は遠くても時差は1時間であった。

 今回のアテネは違う。BSデジタルはハイビジョンとなり、東名阪で地上デジタル放送、そのうえHDDレコーダーは200-400GB級、DVDレコーダーも5万円台が普及、そのうえブルーレイも登場。そして37-50インチのPDPと32-37インチのLCDの大型薄型TVが絶好調。DLPプロジェクターのホームシアターも期待される。そして今夏のボーナスは少しプラスという業界が多い。メーカーもメディアも、流通も、そしてお客さんも燃えている。ただし、スピード違反の価格下落が起きないことを祈るばかりだが。

 業界通に聞くと、五輪の時はAVだけでなく白物も良く売れるとのこと。お店の販促努力で来店客が増え、白物にも手が出るとのこと。電機業界がこのようにGDP押上げに貢献するのはうれしい限りである。ところが五輪も、昔のアマチュアスポーツの祭典と比べると一大イベント産業となった。アマもプロもない選手ビジネスとも言える。そこへIT-NETが加わり、ビジネスモデルも大きく変わりつつある。ねえワトソン君!!「五輪とインターネットの関係はどうなるかね?」。「時差克服はDVDにまかせて、ネットはセキュリティとかリスクマネジメントに役立ってほしいですね」。
  • 1