IT Stock Frontline

IPO人気は回復

2006/12/11 16:04

週刊BCN 2006年12月11日vol.1166掲載

公募価格を上回る初値相次ぐ

 株式市場の下落傾向からIPO(株式新規公開)も大きな打撃を受けた。今年最大の案件となった、あおぞら銀行をはじめ、11月前半は初値が公募価格を割り込む企業が続出した。しかし、公募価格を低く設定する企業が増えたこともあってIPO人気は回復。とくにIT関連については株価が大きく上昇するケースが目立っている。

 エレコムが11月22日にジャスダック市場に上場。初値は1200円と公募価格1050円を上回る順調なスタートとなった。同社はパソコン関連製品の総合メーカー。1986年の設立時は、パソコンデスクなどの家電量販店向けOA家具メーカーだったが、今では製品アイテム数が5000超。同社では「ここまで幅広くパソコン周辺機器をそろえるメーカーは世界でも類がない」と鼻を高くする。

 女性ユーザーの拡大にも力を入れ、すべての製品において“優れたデザイン性”を重視。「売れるものを売れるだけ売る」のコンセプトのもと、マウスやキーボード、スピーカなどでトップのシェアを誇る。

 11月28日に東証マザーズに上場したマガシークも初値は80万9000円と公募価格65万円を大きく上回った。「ファッション雑誌に掲載された商品をインターネットで買える」をコンセプトにしたサイト「マガシーク」を運営する。顧客の8割は20―30代の女性。会員数は9月末で45万人強に達している。

 これらに続いて、12月4日にはパッケージソフトの企画・開発・販売のシステムインテグレータが東証マザーズに、そしてインターネットサービス事業で先駆的な存在であるニフティが12月7日に、東証に上場した。「@nifty」などインターネット接続サービスは518万人の会員数を持つほか、ブログサービスやパソコン、携帯電話向けのコンテンツ提供などを行っている。(有賀勝久)
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