IT Stock Frontline

日本版SOX法で特需生まれる

2006/12/18 16:04

週刊BCN 2006年12月18日vol.1167掲載

「内部統制」ビジネスが活発化

 2008年度に施行される日本版SOX法(企業改革法)をにらんで情報サービス業界の動きが活発化している。SOX法とは米国で02年に成立した法律。エンロンが不正会計事件で破綻したことをきっかけに導入され、企業が正確な財務報告を行うように業務管理体制の強化を求めるものだ。

 日本でもカネボウなどの粉飾決算を契機に内部統制の強化を求める動きが強まっている。今年6月に成立した金融商品取引法が日本版SOX法と呼ばれ、全上場企業約3700社が対象となる。11月には内部統制の細部を定めた「実施基準案」も公表された。また今年5月に施行された会社法にも内部統制に関する規定が盛り込まれている。

 企業は社内体制を整備したり情報管理徹底のため、新たなシステム関連投資を行う必要がある。このため情報サービス業界にとってビジネスチャンスになる。

 なかでも期待されるのは会計・販売・生産・在庫管理などをサポートするERP(統合業務システム)ソフトの導入、更新の活発化だ。

 大塚商会、オービック、日本オラクル、内田洋行、住商情報システム、ミロク情報サービスなどが恩恵を受けることになりそうだ。

 このほか、日本版SOX法関連の業務に力を入れる企業をあげると、サイボウズは、中堅企業向けのコンサルティング事業を手がける子会社と共同で顧客企業の内部統制強化を支援するサービスを開始。内部統制に向けた体制整備から実際の社内運用、報告書の作成まで一貫して手がける。

 IIJは、企業向けのメールサービスを強化する。企業絡みの裁判でメールが証拠採用されるケースが多いことが、メール管理の需要に追い風となるほか、メール管理を外部委託する動きが強まっていることもプラス要因として働く。(有賀勝久)
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