年頭所感

【2009年 年頭所感】 IT企業トップの「決意」と「実行計画」 JFEシステムズ

2009/01/05 20:37

週刊BCN 2009年01月05日vol.1266掲載

迅速、果敢

岩橋誠 社長


 景気変動に対してITは半周遅れで影響が出てくると長年言われてきたが、今回の経済危機はほぼリアルタイムで効いている。それだけITが経営中枢に深く食い込んでいる証左だろう。受注環境が悪化しており、恐らく今年度(2009年3月期)末までは、すべての投資案件が「サスペンド(停止)」という状態だと思う。手持ち案件を一度すべて棚上げし、徹底して見直すユーザー企業が少なくない。

 ただ、すべての投資案件がこのまま凍結されるというわけではない。4月以降はサスペンドした案件のなかから優先順位をつけて徐々に動き出す。JFEスチールをはじめ鉄鋼メーカーも減産体制に入っているが、これまでの能力限界の生産から巡航速度に戻したという段階に過ぎない。確かに生産能力の増加につながる投資は先送りされるだろうが、一方で経営の透明度を高めたり、これまで不十分だったコスト削減に関する投資は引き続き行われると見る。

 当社で言えば、ビジネスプロセスの可視化や、分析ツールのビジネスインテリジェンス(BI)の分野で引き合いが強い。こうした顧客のニーズを迅速に見つけ出し、果敢に攻めていく。厳しいのは皆同じ。暗い顔をしていても何も始まらない。先日も米国に行ってきたが、金融システムは全治1年、実体経済は同2年と肌で感じた。09年に潮目が変わり、10年には明るさが見えてくる。迅速、果敢に進んでいくことで不況を乗り切る。
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