解剖!メーカー流通網

<解剖!メーカー流通網>33.アボセントジャパン DCに加えSMB開拓体制を整備

2009/09/25 16:18

週刊BCN 2009年09月28日vol.1302掲載

販社との協業でユーザー層を広げる

 KVMスイッチ関連メーカーのアボセントジャパンは、データセンター(DC)など主力である大規模システム中心のエンタープライズ市場で事業拡大を図ることに加え、SMB(中堅・中小企業)を開拓する体制も整えつつある。新製品の市場投入や販売代理店との協業強化でユーザー層を広げている。

 SMBへの拡販を図るために市場投入したのは、LCDコンソールの新製品。キャンペーン期間を設けて、特別価格で提供している。オープン価格のため、具体的な割引率などは明らかにしていないものの、SMBの導入を促す価格帯に設定しているようだ。瀧澤寛・シニアセールスマネージャーは、「これまでは、エンタープライズを中心に市場を掘り起こしてきたが、今後はSMB向け事業にも力を入れる」としている。

 具体的には、2次店を集める販社「VAD(バリュー・アデッド・ディストリビュータ)」を経由し、2次店に位置づけられるSIer「TCPエリートパートナー」がSMBなどに製品を販売している。VADには、アイティフォーが名乗りをあげている。

 エンタープライズ向け事業では、ユーザー企業への直販が中心のSIerと「プレミアパートナー」として販売契約を結んでおり、伊藤忠テクノソリューションズ、ユニアデックスやぷらっとホーム、ソフトバンクテクノロジー、報映産業などが名を連ねる。新製品については、IT資産管理ソフト「AMIE(アボセント・マージポイント・インフラストラクチャ・エクスプローラ)」を発売。1年間でユーザー100社の獲得を狙い、3億円程度の売上高を見込んでいる。1000以上のラックに対応しているので、大規模システムを構築するユーザーに提案していくが、5ラック程度の管理にも対応可能なため小規模DCにアプローチする方針も示している。

 こうした製品ラインアップの拡充で、「さまざまな領域でユーザーを獲得できる」としている。(佐相彰彦)

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