左官工事をはじめ、タイル工事や防水工事、組積工事などの湿式工事全般を手がける原田左官工業所(原田宗亮社長)は、都内に本社を構えている。ホームページのリニューアルや工事原価管理システムの構築を推進して売り上げの増大に取り組んでおり、社内では社員間の情報共有の円滑化を目指している。
原田左官工業所は、「左官屋さん」のイメージを打ち破ろうとしている。タイル工事では、国内メーカーのタイルのほか、輸入タイル、オーダーメイドタイルなどを扱う。モザイクタイル、大理石の施工にも対応する。防水工事は、火を使わず臭いも少ない湿式防水に特化している。組積工事では、外部のブロック積みや化粧ブロック、内装防水用のブロック積みに加え、ピザ釜などの耐火レンガ積み、デザイン壁の特殊ブロック積みなどのニーズに応える。左官工事にとどまらず、幅広い業務に対応することを強みとしている。
人材採用においても他社にみられない特色がある。業界に先駆けて積極的に女性を採用してきたのだ。現在、6人の若手女性職人が働いている。育児休暇制度や女性専用の休憩室を完備し、働きやすい職場づくりを進めてきた。
ただ、左官業はここ数年、工事が減少する傾向にある。競争が激化して、価格の下落も生じている。こうした状況下で、原田社長は業務のスピードアップやサービスの品質向上による財務体質の強化の必要性を感じていた。そして、抱えている課題の解決手段として、業務のIT化を検討した。
具体的にはこうだ。原田社長は、「左官業の特性として、年間100~150件の細かい受注がある。だから、現場管理のための書類が多い」と話す。製造業でいう「多品種、少量生産」に対応できるシステムを求めていた。
それだけではなく、ベテランから若手の職人総勢40人と多数の現場を個別に管理するための連絡手段を人手に頼らざるを得ず、非常に手間のかかる作業であることを問題視していたという。
頭を抱えていた原田社長は、マーケティング活動の強化とあわせて、IT基盤の構築による業務の効率化に乗り出した。最初に着手したのが、「Microsoft Excel」で管理していた原価管理の改善だった。(つづく)(信澤健太)

自社ビルの1階は作業場となっている