ソフトウェア開発・運用における手法の一つで、単一の機能や用途に沿ってサービスを小さく切り分けた上で連携させ、全体として一つの情報システムを構築すること。マイクロサービスを活用したシステムはマイクロサービスアーキテクチャーと呼ばれる。サービスごとに開発・運用するため柔軟性が高く、変化に強い手法とされる。
個々のサービスはAPIによって連携させる。サービスごとの独立性を維持しながら運用するため、あるサービスを新たにデプロイする場合、システム全体を停止させずにリリース作業ができる。開発の際にも、APIの要件を満たしていれば、サービスごとに適切な技術を使用することができるなどのメリットがある。
日本ではすでに、みんなの銀行や三越伊勢丹などがシステム構築に採用しており、調査会社のSDKIが2021年12月に発刊したレポートによると、マイクロサービスアーキテクチャー市場は、22年に450億米ドルの市場規模が見込まれ、31年までには914億米ドルに達すると推定されている。
複数のサービスを運用するため、管理体制が複雑になることや、コストが増えるといった点はデメリットとなる。また、サービスごとにデータベースを分割する場合には、テーブル間で不整合が起きないようにするための仕組みを作る必要がある。
(大畑直悠)