WTO加盟、2008年のオリンピックなど、明るい話題が多い中国では、ある分野の給与所得者の実質収入がきわめて高くなっている。とくに外資系企業のペイは高いので人気がある。

 外資系企業は製造業のみならず、サービスセクターも同様に進出している。銀行などの金融業、会計事務所、宣伝広告業、飲食チェーンなど多様である。

 上海がマーケットプレイスとして中国でもっとも注目されており、外資の参入も目立っている。そこの外資系企業の間で上海人の抜け目のなさが常に話題になる。

 上海のある外資系市場調査会社で実際にあった話を紹介しよう。

 私の日本人の友人は営業マネージャーとして、日系企業を中心とした顧客開拓を主な業務としていた。

 2人の若く聡明な上海美人がアシスタントとして雇われた。お客がお堅い日系企業の支店長などでも、女性がコンタクトすると簡単にアポがとれるなど、ビジネスは順調に進んだ。

 女性アシスタントの1人は、なんでも自分の手柄にしたがる性格のようで、上司の日本人営業マネージャーは近いうちに日本に帰るから、今後は自分にすべて任せてくれなどといい、重要な案件を独り占めして成績を上げようとする。

 もう1人はさらに上を行く。しばらくたった後に、その調査会社を希望退職した。なんでも自分で日本料理のお店を開きたいという。

 いままでのお客を取り込むわけだ。ここまではよくある話だ。

 しかし、この後に、第二段階が控えていたとは、だれも想像しなかった。

 彼女はこのお店と並行して、さらに別な会社を設立したのだ。この会社は、先の調査会社と真っ向から対立するライバル会社となる。

 引きつないでおいたお客を徐々にその調査会社へと引き込むというわけだ。

 その友人は、上海人にはとても太刀打ちできないとして、最近、上海から引き上げを決心した。(台北発)