美的徒然記

<美的徒然記>4.美しさっていったい…

2002/02/25 15:26

 ヒト、とくに女性は、少しでも美しくありたいがために、毎日の化粧やダイエットなど、日々の努力を惜しまない。女性が一生のうちに美に費やす時間は相当なものだろう(化粧や髪のセットにかかる時間が1日30分程度だとすると、なんと50年間では9125時間になる!)。

 だが、美しさって一体なんだろうか。その答えは非常に難しい。かつて、シンメトリーが美しさの基準と考えられたり、美を数値で表そうとした学者もいたそうだ。結論から言うと、美しさを完全に説明できる定義はないと思っている。

 人がなにかを美しいと感じる感情は、普遍的なものと、流行や文化などによって左右される相対的なものの2つに分かれるという。若々しく整った肌が美しいとされるのは世界共通だが、理想の美人像が日本とアフリカでは大きく異なるように、各々のコミュニティで美人が決まる要素は後者の影響が大きい。それは人種の違いによるものでなく、例えば美人像が日本の平安時代と現代とで全く違うことからも、美人の基準はその時々の生活環境など多くの要素が複雑に絡み合うようだ。とくに現代では、経済活動によって大きく左右されるケースが多い。

 とはいえ、一説によると、生れたばかりの赤ん坊ですら、大人と同じように美人を認識して引き寄せられるというから、女性が形のない美の追求に翻弄され続けるのは仕方がないことだと感じる。(アイスタイル取締役アットコスメ主宰 山田メユミ)
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