Letters from the World

C-Tailerって何

2002/11/25 15:37

週刊BCN 2002年11月25日vol.967掲載

 エンドユーザーに商品を販売する店舗をRetailer(リテーラー)と呼ぶ。これがインターネットの時代になってE-Tailer(イー・テイラー)と呼ばれるエレクトロニック・リテーラーになった。そして今は、C-Tailer(シー・テイラー)だそうだ。例えば企業が社内のITインフラを構築したい場合、必要な機材を購入して工事を手配してといった一連の作業を行う。また、費用を下げるためにインターネット上のイー・テイラーを利用して商品の手配を行うことになる。

 しかし、社内のインフラ構築プロジェクトになると、社内のリソースだけですべて実行することは不可能だ。要するにITを理解したコンサルタントの存在が必要になる。リテールやイー・テイラーにコンサルタント能力をつけて、各顧客にあわせたシステムを提案するのがシー・テイラーなのだ。要するに設計から施行まですべてをまかなえる会社のこと。シー・テイラーのシーは、カスタム(Custom)のシーだ。

 このビジネスモデルは以前からあり、決して珍しいものではない。米国ではVAR(Value Added Reseller)と言う名前で呼ばれたり日本ではSIerと呼ばれるシステムインテグレーションの会社がまさにこのビジネス。インターネットの利用で顧客との距離が近くなった。ものを売るだけでは十分ではない時代が来ていることを示している。BTOやCTOはあくまでもコンピュータのコンフィギュレーションにすぎない。シー・テイラーでは個々のコンピュータではなく、コンピュータを使って何をしたいのかという部分までリテールビジネスがきていることを示すものだ。

 米国の家電業界ではシー・テイラーが当たり前になってきている。そしてコンピュータ業界もVARやSIerではない販売店がシー・テイラーとしてお客様のニーズに対応できる体制が必要になることは間違いない。販売店はVARやSIerに近づくことが21世紀の生き残り、いや発展につながることを知っておこう。(米シアトル発)
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