Letters from the World

B2B、B2C、P2P

2005/03/07 15:37

週刊BCN 2005年03月07日vol.1079掲載

 インターネットではさまざまな用語が使われる。わかっている人にとっては難しい言葉ではないのだが、専門家でない人が聞くと外国語で話されているのと何の違いもない。

 インターネットで情報の交換やビジネスを行う場合に、B2C(ビーツーシー)やB2B(ビーツービー)という言葉を耳にする。この場合のBはビジネス(企業)の頭文字、そしてCはコンシューマ(消費者)の頭文字だ。B2Cは企業が消費者を相手にビジネスを行うことを意味する。例えばネット上に店舗を持つ企業が消費者に商品を販売する場合はB2Cということだ。B2Bの場合は、企業から企業へのビジネスを意味する。これは企業は企業向けに商品の卸販売をすること。この場合、インターネットのサイトは会員制でパスワードがなければ入れないのが普通だ。

 ただ、B2Cの場合でもB2Bの場合でもいえることは、通信は基本的に企業が持つサーバーに消費者か別の企業がアクセスすることで成り立っている。しかし、P2PのPは個人(パーソナル)。サーバーを持たない個人が、サーバーを介さずに他の個人と通信を行うことを意味する。たとえば、複数の個人がサーバーにアクセスしてチャットをする場合は、P2Pではない。P2Pとはあくまでも個人間で通信を行うことなのだ。

 簡単な例で話をわかりやすく説明しよう。P2Pが初めて注目されたのは、音楽ファイルのシェアリング(ナップスターやカザー)だった。個人が自分のもっている音楽CDをMP3に変換して自分のパソコンに保存しておき、世界中の人がそれをコピーできるようにしたのだ。サーバーにデータはおかず、ファイルをシェアする。これがP2Pの始まりだ。これで複数のパソコン間でデータをやりとりすることが当たり前になった。

 サーバーを介した通信ではなく、端末同士が通信をするP2P。これはデータセキュリティの面でも、通信パフォーマンス、インターネット自身への負荷の面で今後私が注目する技術である。(米シアトル発:パシフィックソフトウェア パブリッシング 内倉憲一)
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