米国では、株式を公開している企業は四半期に1度売り上げに関連した広報をすることが義務付けられている。これらの報告は公開情報として株主に伝えられると同時に、株式関連のインターネットサイトで公開されている。

 これに加えて今の株主は、インターネットを利用して企業に関する情報を収集することができる。これは、企業がサイトで正式に発表する場に加えて、掲示板やチャットなどで会社に関連した裏の情報交換が行われているためだ。企業のなかにはそのような場を利用して株価の操作を行うような話も耳にするが、今のインターネットでは誰が噂を流しているかなどは確定できない。

 現在株主が目にする情報は、インターネットが始まる前と比較すると、数倍、いや数百倍になっているといっても過言ではない。場合によっては20年前の投資アドバイザーよりも多くの情報を持つことだってあるのだ。

 ただ、ネット上の情報がどこまで正しいかは誰にもわからない。このような状態から、株主が企業に対して持つオピニオンは非常に短いサイクルで変わっている。要するに、株は短期から中期の投資というのではなく、今日買って明日売るという、競馬やトトカルチョ的なギャンブル性の高いものになってしまった。

 そのために企業は、短期でも赤字を計上することを恐れるようになる。中期から長期の投資ができなくなっている。これでは新しい技術は上場企業からは生まれない。そのようなものに投資をするリスクを上場企業がもつわけがない。そうなると新技術はベンチャー企業からしか生まれないことになる。これが今の米国の現状なのだ。

 しかし、大企業は自分たちを守るためにパテント(特許)の申請をし続けている。だから新技術を持った企業でも、その技術を製品化することはほとんどできないというもの現状なのだ。

 これもすべて、投資家(消費者)が短期の利益ばかりを上場企業に求めるからなのだ。(米シアトル発:パシフィックソフトウェア パブリッシング 内倉憲一)