台湾では第1の公用語として、国語(中国では普通語、英語ではマンダリン)が使われている。

 しかし、台湾の大半の住民の祖先は、福建省から明の時代に移住してきた漢民族であり、その母国語は南(ミンナン)語である。現在台湾でも公用語の1つとして使われている。

 一方、中国で義務教育で使われている普通語も全中国で公用語として使われているが、これは現在の共産党政権とその前の国民党政権より以前の清の時代から引き継いでいるものである。

 この言語は文法が論理的であり、また文字、つまり漢字がそのまま、文書として使えるように対応できている。

 この便利さ故、普通語(台湾での国語)は、現在の中国以外では、台湾でもまたシンガポールでさえも公式な公用語として使われているわけである。

 これに対して南語は文字を持たない言語であるので、台湾を代表する唯一の公用語として用いるには難がある。

 しかし、歴史的背景と現在の政治の複雑さ故、台湾では南語が広く使われている。友人同士、家族間で、普通に使われている。

 もっとも、台湾の南語、すわなち、台湾語は中国の南語(福建省の南部で用いられている)と大きく違う点が1点ある。

 日本はかつて台湾を戦前50年にわたって、統治した事実がある。そのため、台湾語には日本語が外来語として多く混ざっているのである。

 例えば、カンバン(看板)、ウンチャン(運転手)などがある。さらに、日本語の外来語、例えば、ビール(Beer)などもそのまま日本式の発音のまま残っている例もある。

 また、特にわれわれIT業界の人間にとって便利なのが、アソビ(英語で言うとtolerance)とかシアゲ(仕上げ)など、金型とか機構設計の分野で重宝する単語である。

 台湾系のEMS会社や金型会社が日本人から好まれる理由はこんなところにもあるのかもしれない。(台北発:アコードインターナショナル 原 真)