旅の蜃気楼

ロボットが「元気」をくれる

2005/12/19 15:38

週刊BCN 2005年12月19日vol.1118掲載

▼今年もそろそろ終わりですね。今さらですが「愛・地球博」に行きましたか。コラム子は行きました。告白すると、何となく、野球の消化試合を見に行く気分でした。ところが、会場に近づくあたりから不思議なオーラを感じて、入場するなり盛り上がった雰囲気に飲み込まれて、「こりゃー楽しいじゃないか…、リピータになっちゃいそう…」な気分で、たいへん楽しく中央アジアの各国を旅した。期間入場者数は2204万9544人。1日あたりの最高入場者数は28万人。おお、なんと会場が30万人都市になったわけだ。それは息苦しかったことだろう。

▼今年の中京地区は「元気そのもの」。その力を引き出したヒーローがいる。「ロボット」たちだ。特に今年はロボットの話題が多かった。7月9日に、秋山貴彦監督の映画「HINOKIO/ヒノキオ」が公開された。中村雅俊とロボットが競演する。13日には「ロボカップ2005大阪世界大会」が開かれた。彼らの公約が振るっている。「2050年までにサッカーW杯優勝チームに勝てるヒト型ロボットをつくる」と打ち上げた。夢があって大いに希望が持てる。さて、どこまで実現するだろうか。こんなサッカーロボットが誕生する確率のほうが高い、と予測する。ひょっとすると、ロボットたちのサッカー技術のほうが人より強すぎて、ロボットに手加減してもらうのではないか。来年のW杯はドイツで開催される。45年先の話になると、ロボットと人のW杯の試合は宇宙ステーションで観戦しているかもしれない。

▼「愛・地球博」もロボットが主役だった。会話ができる接客ロボットが会場に座っている。制服を着た25歳前後の女性で、「こんにちは」と話しかけると、「ようこそ…」と答えて、「会話」が進む。この感動は新鮮で、多くの来場者が驚いたことと思う。この頃からロボット人気は鰻のぼりだ。身長60センチのQRIO君(ソニー)が米大リーグのナショナルズ対メッツ戦で始球式を行った。投げた球はキャッチャーミットにしっかり納まった。ロボットは自転車も漕ぐ。ラッパも吹く。いずれ家庭にロボット1台の時がくる。ロボットが人に近くなる。(本郷発・奥田喜久男)
  • 1