▼プロ野球で西武ライオンズが日本一に輝いた。野球ファンならずとも関連する百貨店の「優勝セール」に胸が躍る。家電量販店がひしめく東京・池袋東口にある西武百貨店の本店付近には、日本シリーズあたりからクリスマス飾りが彩り始めた。例年に比べて、クリスマスムードを煽る動きが早い気がする。「金融不安」に端を発する不景気ムードを一掃し「購買心」を早めに喚起する狙いとみた。

▼キリスト教信徒のイベントであるクリスマスが日本に浸透したのは、1900年に明治屋が東京・銀座に進出し“商業利用”したことが契機とされる。洗礼を受けた信徒は国内総人口の1%に満たないが、商業的なイベントとして定着した。内閣府の調査によると景気の実感を示す「街角景気」指数は過去最悪の水準という。早い街飾りに引っ張られ、今年のクリスマスムードは2か月にわたって続くことになる。その間に「売り手」はいかに消費者の心を掴むか。

▼現在、自民党で税制改正論議が進んでいる。「消費税率を引き上げる」ことを前提に、まずは景気をテコ入れし、実体経済の回復を図る目論見だ。その策として「定額給付金」をばら撒くという。だが国民の大半は「貯金する」という状況で、景気浮揚には疑問符が付く。タンス貯金を引き出すには、「給付金セール」などで「売り手」の現場レベルでの工夫が必要だ。企業にシステムを提供するベンダーは、秋口に自社新製品を宣伝する。こちらも同様に「固い財布の紐」を開かせる手段が試されている。