▼水道法の第一条には、水道事業の基本的な役割について、「清浄にして豊富低廉な水」を供給することだと書かれている。日本の水道事業に携わる人にとっては価値観の根底を支える文言だ。

▼森友・加計問題、そしてテロ等準備罪の話題に終始した感のある193回国会。今国会に限らないが、これからの日本のあり方に密接にかかわる法案は多数提出されているのに、大手メディアではほとんど触れられないまま、ひっそりと議論が進み、あるいは議論の機会や結論が先送りされている。

▼銀行法改正案が成立し、銀行のAPI解放が実質義務化された。FinTechのオープンイノベーションが加速するか。水道事業の広域化や民営化を促す水道法改正案も提出されたが、こちらは審議すらされなかった。

▼給水需要が減少するなかで、老朽化が進む浄水施設や管路の維持管理、耐震化などに対応できる経営のかたちと「清浄、豊富、低廉」の価値観をどこまで両立できるのか、実のある議論が求められているはず。施設の維持管理の現場ではIoTの導入事例も出てきており、ITが貢献できることも少なくない。(霹)