今日は何の日
<今日は何の日>7月28日「ロサンゼルス五輪開幕(1984年)」
2025/07/28 09:00
週刊BCN 2025年07月28日vol.2069掲載
「商業五輪」の先駆け、時代映す祭典
1984年、米ロサンゼルスで開かれた夏季五輪は、民間資金を活用した運営により黒字で終えた五輪として知られる。商業化の先駆けとなり、以後の大会運営のモデルとなった。一方、スポンサー依存や巨額の開催費用など、近年では「商業五輪」への批判も根強い。当時は新冷戦と呼ばれる東西冷戦の影響もあった。80年のモスクワ大会ではソ連のアフガニスタンへの軍事侵攻を受け、米国など西側諸国がボイコット。報復措置としてソ連をはじめとする東側諸国が4年後のロサンゼルス大会の参加を拒否し、政治的対立による制裁の応酬が繰り広げられた。「平和・スポーツの祭典」であるはずの五輪が、国家のプライドをめぐる意思表示の場となっていた。
五輪は常に時代の鏡であり、世界の変化を映し出している。2024年のパリ大会で、ウクライナを侵攻したロシアと同盟国のベラルーシが参加を認められなかったことは記憶に新しい。こうした複雑な国際情勢を経て、28年に再びロサンゼルス五輪が開かれる。分断に終わりは見えず、スポーツによる平和という大会の理念と現実も問われている。その中でも、選手たちのひたむきな姿が世界をつなぐ希望の光となることを願う。
(潤)

由来
開会式がロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで開催され、「ロケットマン」による空中遊泳などの演出が話題となった。大会では米国のカール・ルイスが100メートルなど陸上4冠を果たした。
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