2001年はパソコン販売の不振が目立った。BCN総研の予測によれば、01年通期の店頭におけるパソコン販売台数は前年比5%減の528万台。各販売店はこの不振の影響をもろに受け、厳しいビジネスを強いられた1年だった。(三浦優子●取材・文)

 販売不振を払拭すべく様々な努力が続けられたが、02年にも継続する大きな流れとして「店頭での法人向け販売」、「エンターテインメント性の高い大型店」という2つの潮流がさらに加速し、販売店の性格として二極化が進んでいくのではないか。

 エンターテインメント性の高い店舗の中身については、いくつかの方向性がある。コンシューマをターゲットに置いていることに変わりはないが、それぞれ異なったアプローチで市場拡大を狙っている。エンターテインメント性の高い大型店として、ほかにない斬新な店舗を作ったのが名古屋・大須でショップを展開するグッドウィルである。

 昨年11月23日に開店した「エンターテイメントデジタルモール」は、地下と隣接した部分にレストランを設置し、1階には巨大招き猫を配した神社を作るなど、エンターテインメント性を強めた店舗である。月城朗社長いわく、「大須の名物にする」という意気込みが伝わってくる。

 ご存じの通り、大須は東京・秋葉原、大阪・日本橋と並ぶ電気街だ。電気街自身の集客が減りつつあるといわれるなかで、グッドウィルの新店舗には、「大須にいかに人を呼ぶか」、「大須のなかでの競争にいかに打ち勝っていくのか」という2つの課題に立ち向かうための試みが随所に見受けられる。

 大型店を作れば人が集まってきた90年代とは異なる店作りをどうすべきかという回答として、非常に意味ある試みだ。

 今年はグッドウィル型のエンターテインメント性を追求したパソコンショップの数がもっと増えていくのではないか。

 同じエンターテインメント性でも、グッドウィルとは全く異なる、「規模の追求」という発想をしたのがビックピーカン、ヨドバシカメラのカメラ量販店だ。

 ビックピーカンは、有楽町をはじめ、そごうなどのデパート跡地に出店した。有楽町店は、開店から1年も経たないうちに東京を代表する店舗となった。

 これはパソコン販売店としての機能に加え、通路をはじめとした売り場面積の広さ、ビックカメラが販売する家電やカメラから寝具、スーツまでが揃う品揃えの多さが大きな武器だ。1日店舗を歩いていても見飽きることがない圧倒的なボリューム。これだけの規模と品揃えがあるだけで、店舗のエンターテインメント性は高まる。

 同じ傾向は、ヨドバシカメラが大阪・梅田にオープンしたヨドバシカメラ マルチメディア梅田についてもいえる。

 ヨドバシカメラでは02年中に福岡に大型店を開店予定であり、大型化することでエンターテインメント性を高めたカメラ量販店は、全国に広がっていくことになる。

 ここ数年、パソコン流通においてカメラ量販店の存在は見逃せない動きだった。今年はさらにその存在感が高まっていくことになりそうだ。

 新しい商品の登場で、いよいよ本格的に花開きそうなのが、オーディオなどのAV(音響・映像)機器とパソコンを連動させた使い方を提案する、デジタル家電店だ。

 これまでにも、ラオックスのザ・デジタル館のようにデジタル家電を指向する店はあった。

 しかし、商品が十分に揃わず、思い通りの機能を発揮したとは言い難い。ようやく最近になってオーディオメーカーがパソコン販売店で売ることができる製品の開発に取り組むなど、新たな動きが出てきた。

 オーディオ機能が拡充した高価格のパソコンが売れ筋となってきていることから考えても、いよいよデジタル家電店が活躍する土台が整ったといえる。

 デジタル家電とパソコンとの連動を提案し、商品を販売することができれば、店舗側も単品でパソコンを売るよりも収益が増加することになる。パソコン販売店の収益向上のためにも家電との連動提案は欠かせないものになるだろう。