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外付けハードディスクの販売動向 大容量化の波で80GBが主力製品に

2002/04/01 16:51

週刊BCN 2002年04月01日vol.935掲載

台数・金額ともに拡大

 外付けハードディスク市場は、容量60GB以上の製品が普及しつつある。最近6か月間の容量別販売台数シェアでは、2001年11月から80GBの製品がトップを占めて以来、80GBが市場の4分の1以上のシェアを維持し続けている。60GB以上で区切れば、実に市場の過半数に達する。ユーザーがデジタルカメラの画像やテレビの動画などをパソコンに保存するケースが増えてくれば、今後も大容量製品が人気を集める可能性が高い。また、外付けハードディスクは低価格化が進んでいないため、収益性が高い製品でもある。

 図は、BCNランキングで最近6か月間における外付けハードディスクの容量別シェアを表したものだ。昨年9月には、40GBの製品が27.4%でトップ、次いで60GBが23.2%、80GBが13.3%、20GBが13.8%の順だったが、10月に入り60GBの製品が23.9%と主力に躍り出た。さらに11月には、80GBの製品が28.2%と市場で4分の1以上を占めるようになり、以降、80GB製品が市場の中核になっている。80GBは、年末商戦本番の12月に3割を超えるという過去最高の数値を記録した。今年2月における機種別販売台数シェアでは、上位2機種が80GB製品。メルコが昨年11月に発売した80GB製品「DIU-80G」が12月から3か月連続で首位を獲得しており、アイ・オー・データ機器の80GB製品「HDA-iU80」が2位を維持し続けている。メルコの「DIU」シリーズの特徴は、タテ置き・ヨコ置き両対応、電源内蔵のスリムな筐体、ウィンドウズとマックの両OS対応、「PC連動AUTO電源機能」の搭載――など。アイ・オー・データ機器の「HDA」シリーズは、放熱性に強いアルミボディ筐体で、同社独自の接続用コネクタ規格「i-CONNECT(アイ・コネクト)」により、どのインターフェイス製品にも対応していることが特徴だ。

 80GB製品が急速に普及したのは、昨年11月にメルコやアイ・オー・データ機器をはじめ、各ベンダーから80GBのモデルが次々と発売されたことが要因だ。今年2月のベンダー別シェアでは、メルコが45.8%でトップ。以下、アイ・オー・データ機器の28.0%、ロジテックの21.3%と続く。外付けハードディスクのメリットは、手軽に増設できること。とくにUSBで接続するタイプはセットアップが簡単であることに加え、電源を落とすことなく複数のパソコンで差し替えて使うことも可能。実際、USB対応の製品は、簡単接続という使い勝手の良さがユーザーニーズと合致したことで販売台数が伸びている。昨年9月のインターフェイス別シェアでは、USB対応製品が32.6%だったのに対し、同10月に35.6%、同11月に37.4%、同12月に39.9%と上昇。今年に入ってからは、1月が46.1%、2月が49.2%と、5割近い水準が続いている。

 しかも、最近ではIEEE1394/USB対応といった2つのインターフェイスをもった製品も人気を集めており、昨年9月に13.6%だったシェアが、今年2月には23.3%にまで跳ね上がった。先行き不透明なパソコン市場のなかで、ハードディスク市場は、台数、金額ともに拡大している。2月における対前年同月比は台数ベースで9%増、金額ベースで3%増と堅調に伸びている。価格面においては、昨年9月の平均単価2万5000円台に対し、今年2月は2万5200円台とわずかながらも上昇。販売店にとっては収益性が高い製品といえる。需要が高まっているのは、デジタルカメラで撮った写真やMP3の音楽ファイル、テレビやビデオで撮った動画などをパソコンで保存するユーザーが増えたことによる。今後も、大容量の外付けハードディスクがますます普及していく可能性が高い。(佐相彰彦)

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