店頭市場ピックアップ

セキュリティソフトの販売動向

2003/11/24 16:51

週刊BCN 2003年11月24日vol.1016掲載

シマンテック、依然首位キープ

再参入NACは、シェア5%未満で推移

 セキュリティソフト市場で、上位各社の新製品が出揃った。各社から新製品が発売された直後も、トップシェアは依然シマンテックが堅持。新製品の投入でも、特に順位の変動は見られなかった。図はBCNランキングの週次データをもとに、セキュリティソフトのベンダー別本数シェア推移を示した。

 図で取り上げた期間内に上位4社の新製品が出揃っており、10月1日の日本ネットワークアソシエイツ(NAC)を先陣に、シマンテックが10月17日、トレンドマイクロが10月24日、ソースネクストが11月14日に、それぞれ新製品を投入した。トレンドマイクロ、ソースネクストは新製品発売直後、ともに10%程度シェアを拡大させたが、シマンテックの牙城を崩す数字には至っていない。直近11月10-16日の週の本数シェアは、シマンテックが46・7%、トレンドマイクロが30.2%、ソースネクストが16・8%、NACが3・2%。

 シマンテックは、発売日を含む週ではシェア64.0%を記録。前週比で20ポイント以上の伸びをみせ、発売直後の“瞬発力”という点でも他社を圧倒した。一方、約2年ぶりにコンシューマ市場に参入したNACは、4・7%が最高値で、その後は3%前半にとどまる格好。NECや松下電器産業製パソコンのバンドル展開や、ISPとの提携などで着々と販路を拡大しているが、店頭販売では上位3社のシェアを揺るがす存在には、今のところなっていない。

 セキュリティソフトは市場全体でみても、前年同週比で本数ベース28%増、金額でも10%増(ともに11月10-16日の週)と、依然堅調に推移している成長分野。今年8月中旬に発生した「MS Blaster(ブラスター)」が大きな被害をもたらしただけに、年末商戦は昨年以上の伸びが予想される。低価格やASPモデルなど、追随ベンダーはそれぞれの差別化戦略で、どこまでシマンテックに迫れるか。年末商戦に注目が集まる。
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