店頭流通

ソニー リアプロは市場拡大に貢献 「ブラビア」投入で復活か 液晶はシャープとの差を圧縮

2006/01/16 16:51

週刊BCN 2006年01月16日vol.1121掲載

 ソニーは、昨年エレクトロニクス事業復活をかけて薄型テレビを新ブランド「BRAVIA(ブラビア)」シリーズに刷新。昨年10月から11月に液晶テレビ6機種、液晶プロジェクションテレビ2機種を投入した。

 同社にとって、起死回生ともいえる新ブランドの投入だったが、年末商戦で、早くもその効果が表れた。

 BCNランキングで9月からのメーカー別シェア推移を見ると、ブラビア発売の10月以降、着実にそのシェアは拡大を続けてきた。9月に14.9%だったシェアを12月には27.0%まで拡大。その結果、9月時点では33.6ポイント開いていた首位シャープとの差も、12月は14.7ポイントまで縮めた。

 年末商戦最中の12月上旬に、宮下次衛ソニーマーケティング社長は、「週を追うごとにシェアが拡大している」と、認知度を高めるためのプロモーションの手応えに自信を示した。

 さらに、昨年12月5-11日の週次機種別シェアでは、ついに32V型の「ブラビアKDL─32V1000」(6.3%)が首位に立った。同機種は翌週まで首位をキープし、12月の商戦を通してシャープの32V型「アクオスLC─32GD7」と人気を二分した。

 両機種の平均実売単価を比較すると、シャープ「アクオスLC─32GD7」が22万2805円、ソニー「ブラビアKDL─32V1000」が21万479円とほぼ横並び。「ブラビア」の人気が一気に拡大した理由として、店頭では、「価格が安いことも理由の1つだが、黒を基調としたすっきりしたデザインや、画質の美しさが人気を呼んでいる」(ビックカメラ企画部)と、商品自体の魅力を評価する。さらに、「雑誌などを見て指名買いする顧客も少なくない」という。

 ソニーは、40V型以上の商品は液晶プロジェクションテレビに集中している。

 42V型および50V型「Eシリーズ」は、発売直後から90%近い圧倒的なシェアを獲得。リアプロジェクションテレビ全体の売れ行きも、「Eシリーズ」登場によって2倍以上に拡大し、ソニーが同市場をけん引しているといえる。「ブラビア」緒戦は、ソニー回復を印象づける立ち上がりとなった。しかし、シャープなど競合の巻き返しも予想されるだけに、今年はラインアップを増やし、積極的な展開で新ブランドの定着をはかる方針だ。
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