大河原克行のニュースの原点

<大河原克行のニュースの原点>24.アップルは古いMacのイメージを払拭できるか

2006/11/13 18:44

週刊BCN 2006年11月13日vol.1162掲載

 米アップルコンピュータが発表した2006年度第4四半期(7─9月)連結決算で、興味深い数字が明らかになった。同四半期におけるMacの出荷台数が、前年同期比30%増の161万台と大幅な成長を遂げたのだ。また、過去1年間にわたる出荷台数は、530万台超に達したという。

 過去の四半期ベースの出荷実績をさかのぼってみると、初代iMacが一大ブームを起こした際に、四半期で130万台強を出荷していたが、最新四半期の実績は、それを上回るものとなっている。

 以前ほどの爆発的なブーム現象はみられないものの、Macが着実に市場に浸透しはじめているのが分かる。

■ノート型が主流になった

 そして、もうひとつ興味深い数字がある。それは、161万台の出荷実績のうち、ノート型Macの出荷台数が約100万台となり、実に6割を占めている点だ。

 ノートPC先進国である日本でも、ノート型の比率は最新四半期の実績で56%の水準だ。Macは、業界平均やノート先進国・日本の水準よりも、ノートPCの出荷比率が高いということになる。

 アップルは、多くの人が抱いているMacに対するイメージが大きく変化していることを訴えようとしている。

 iMacブーム時以上にMacが売れていること、そして、ノート型の比率が業界平均よりも高いということも、いまのMacに対する印象、あるいはこれまでMacに対して抱いていた印象からは、考えられないことだ。

 実は、このほかにも、われわれが一般的に持っているMacのイメージから大きくかけ離れているものがある。例えば、ノート型Macは「薄く」て、「軽い」という“新常識”だ。

 これまでのMacの常識は、「厚い」「重い」というものだった。いまでも多くの人がそう感じているだろう。

■薄く、軽く、高くないMac

 だが、先頃、発売されたインテルの最新CPU、Core 2 Duo搭載の「MacBook Pro」と、同製品と同じ15インチワイド液晶、17インチワイド液晶を搭載しているWindowsPCとを比較すると、明らかに、MacBook Proのほうが薄くて、軽いのだ。

 MacBook Proの15インチモデルでは、重量が2.54kg、厚さは1インチサイズ。そして、5時間の連続駆動を可能としている。これに対して、一般的なCore 2 Duoを搭載したWindowsPCの場合、重量は3.0-4.3kg、厚さは1インチ以上が標準。そして、連続駆動時間は1.7-3時間となっている。

 価格は、ほぼ横ばいだが、3GBのメモリを搭載していることや、クロック周波数がMacBook Proのほうが高いケースが多いといったことを踏まえると、コストパフォーマンスでもMacBook Proのほうが上だといえる。

 これまでのMacの常識だった「重い」「厚い」どころか、「時間が短い」「高い」という点も、克服されていることが分かる。

 アップルは、今後、日本において、Macの新たなイメージづくりに力を注ごうとしている。もちろん、短期間で新イメージが定着するとは思えない。中期的に投資を必要とする、新たなイメージ戦略がいよいよ始まる。
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