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ジョルダン、「乗換案内」連動の旅行代理店サービス伸張

2008/07/14 18:45

週刊BCN 2008年07月14日vol.1243掲載

 経路検索「乗換案内」を開発するジョルダンは、ソフトウェア流通の変化を機敏に捉えて販売実績をあげてきた。携帯電話向けのサービスをいち早くスタートさせ、企業向けのサービスも拡充。2007年からはXMLウェブサービス版も始めた。パソコンショップや家電量販店での販売も手を抜かない。

ソフト流通の変化を機敏に捉える

――ジョルダン 佐藤俊和社長

 だが、店頭販売はここ数年減少傾向にあるのも事実。半面、携帯電話や法人向け、乗換案内と連動した旅行代理店サービスは伸びている。とりわけモバイル向けサービスは成長の原動力だ。今年3月末時点の会員数は53万人余りに達し、今年度(08年9月期)末までにはさらに3万人増える見通し。「店頭でも普通に売られている製品だからこそ、モバイルや法人の顧客が安心して使ってくれる」。店頭重視は今後も変わりはない。

 東京の新しい地下鉄・副都心線が6月14日に開業。これに合わせて、ライバルより一足早く新バージョンを投入した。BCNランキングで見てみると6月23日の1週間の販売本数シェアは発売前の週に比べて9倍近く増えるなど、出足は好調だ。同時にモバイルや法人向けに展開し、売り上げ増につなげる。こうした取り組みによって今期は5期連続の増収増益を狙う。

 コンピューティングの進化は加速し、ネットはますます便利になる。パソコンやモバイル、ゲーム機などさまざまなデバイスが組み合わさり、「複合的なコンピューティング環境が進む」と見る。売上構成比の約9割を乗換案内関連が占める同社だが、一方で、デジタルコンテンツやゲームソフトのビジネスにも取り組む。ゲームは浮き沈みが激しく、業績の足を引っ張ることもあるが、それでも「コンピューティングの変化を的確に捉え、適応していくことが成長に欠かせない」と断言する。

 今はUSBタイプの超小型パソコン環境の製品化を準備中だ。これ1つあれば、自分のパソコン環境をどこへでも持ち歩ける。乗換案内とも連携させる。パソコンの高性能化が進む一方で、企業ではシンクライアント化が急速に進み、携帯電話やゲーム機もネット端末化する。「USBパソコンもコンピューティングの一形態としてあり得る」。経路検索で培ったサービスプラットフォームをベースに、新たなソフトビジネスのあり方を追い求める。(BCN・安藤章司)

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外部リンク

ジョルダン=http://www.jorudan.co.jp/