デル(ジム・メリット社長)は、販売チャネルの多様化で、コンシューマ向けPC事業の拡大を図る。もともと直販のみで展開し、現在もウェブサイトや電話による直接販売が大きな割合を占めるデルだが、今後、大手家電量販店をはじめ、リテールビジネスの強化に注力。同社が強みとするノートPCの15型モデルなどを武器に、リテール販売を強めることを通じて、より幅広いユーザー層を獲得する計画だ。同時に、直販事業の改善も追求していく。また、現時点では販売していない地上デジタルチューナー内蔵PCは、市場のニーズを把握し、投入を検討中という。

井上英樹
コンシューマー事業部
ダイレクト営業本部
本部長
 コンシューマ向けPCの事業拡大に向け、デルが期待を寄せているのは、15型のミドルレンジ・ハイエンドノートPCだ。動画/静止画の再生などエンタテインメントでの使用を想定して、CPUに高性能のCore i5やCore i7を搭載した15型ノートPCは、「1年前に比べ、ノートPC全体の販売台数に占める割合が二ケタ伸びている」(コンシューマー事業部 ダイレクト営業本部の井上英樹本部長)と人気。このトレンドに乗りながら、家電量販店での販売を強めることで、ファミリー層などを中心にユーザー開拓を狙う。

 リテールビジネスを強化すると同時に、デルがこれまで強みとしてきた直販の改善にも力を入れていく。直販では、デザインやスペックのカスタマイズだけでなく、PC本体だけでは他社との差異化が難しくなっている今、同社は直販ならではのサービス/サポートをキーワードに掲げている。具体的には、電話やウェブサイトでの相談、翌日即納、支払い方法の多様化など、直販のメリットを訴求する。また、2009年5月に販売を開始した本格ゲーマー向けブランド「Alienware(エイリアンウェア)」で、ゲーミング市場への取り込みを強化していく。「『Alienware』は、この1年、非常に反響がよかったので、これからも伸びが期待できる」(井上本部長)と、ゲーミング市場でビジネスチャンスをみている。

 マーケティングでは、Twitterを舞台にネットの世界で同社の存在感を強めていく。Twitterでキャンペーン情報を流すことに加え、利用者からのフィードバックを受けて相互コミュニケーションを広げることで、20~30代の男女を中心としたユーザー獲得へ取り組んでいる。今後、ウェブマーケティングをTwitter以外のプラットフォームにも拡大していくという。

 地上デジタルチューナー内蔵PCに関しては、高まりつつある市場のニーズを把握し、投入を検討中。地デジ内蔵PCを販売しているメーカーが相次ぐなか、同社は現時点で内蔵モデルを販売していない。今後について、井上本部長は、「地デジチューナーは、やはりPCに入っているべきだ。地デジチューナー内蔵PCの人気が高まっている傾向を、当社は無視するつもりはない」と語った。(ゼンフ ミシャ)