マイクロソフトを中心に、パソコンを核とした新しいデジタルライフスタイルを提案する「ウィンドウズ デジタルライフ コンソーシアム(WDLC)」が、地上デジタル放送の普及活動を本格化している。今年4月から実施しているキャペーン「Watch PC?パソコンも地デジカ!!」で、地デジ対応のパソコンを核に店頭プロモーションを積極展開。パソコンメーカー各社の地デジ対応の夏モデルを拡販し、需要の掘り起こしにつなげていく。

パソコンは、インターネットでコミュニケーションしながらスポーツ観戦できる

「道半ば」だからこそ活動強化

地デジパソコンの可能性をアピールするWDLCの堂山晶司会長
 WDLCは、このほど地デジパソコンのメリットや活用方法などを初心者にも分かりやすく伝えるキャンペーン「Watch PC?パソコンも地デジカ!!」の推進を改めて訴える記者会見を行った。

 記者会見の開催場所は、「パソコンの聖地」であり、数年前から再開発が進む東京・秋葉原。記者会見には、WDLCの堂山晶司会長(マイクロソフト副社長)をはじめ、総務省の吉田博史・情報流通行政局地上放送課長、WDLCのメンバーであるパソコンメーカーや家電量販店のキーマン、テレビ局の担当者など、2011年7月の地デジ完全移行に向けた普及活動を行う有力者が集まった。開催場所や登壇者の顔ぶれからは、テレビだけでなく、パソコンを含めたデジタルライフを提案しながら、アナログ放送終了前までに何としてでも地デジを普及させなければならない、という意気込みが伝わってくる。

 会見の冒頭、WDLCの堂山会長は「今年4月からキャンペーンを実施している。次のステップとして、子ども部屋やセカンドルームなどで地デジを視聴できるパソコンならではの楽しみ方を伝えていく」とアピール。さらに、「地デジ普及に向けてパソコンはどのような位置づけなのか、シナリオベースで消費者に理解させたい。そのために、メーカーと量販店など業界全体で広げていかなければならない」と訴えた。

地デジ普及へのWDLCの取り組みを評価する総務省の吉田博史・地上放送課長
 続いて登壇した総務省の吉田課長は、放送と通信の融合を踏まえながら、「パソコンとテレビの融合は、現段階では道半ば」と指摘。ただ、地デジ対応パソコンの出荷台数が今年4月に単月で初めて10万台を超えるなど、徐々に浸透しつつある状況を、「息子が勉強している時は、音声を消して字幕で情報を得ながら視聴するなど、地デジの良さは人それぞれの置かれた状況に応じて利用できること」と自身の体験を紹介しながらデジタル化のメリットを語った。そのうえで、「パソコンと地デジを組み合わせることで、さまざまな利用シーンが想定できるようになる。しかも地デジパソコンは、日本が最も強みを発揮できる分野。コンテンツを含め、充実してくれば、もっと消費者に広がる」と展望を述べた。

 会見では、実際の利用シーンの例として、パソコンでテレビ番組を視聴しながらインターネットでコミュニケーションできるサービス「ピーチク」を披露。一般ユーザーを招いて、サッカー観戦のデモを実施した。実際のサービスは、7月の参議院選挙と8月の高校野球選手権全国大会での提供を計画しているという。

夏商戦の盛り上がりに期待

ビックカメラの塚本智明常務は地デジパソコンへの期待を量販店として訴えた
 この時期にWDLCがキャンペーン強化を図るのは、地デジの普及促進に加え、メーカー各社のパソコン新製品に地デジ対応モデルが急増していることが大きく影響している。テレビとは異なった利用方法を訴え、いかにパソコン需要を掘り起こすことができるかがポイントになってくるわけだ。

 そこで、WDLCに参加するビックカメラやソフマップ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラの家電量販店は、主要店舗でキャンペーンのロゴを使った展示を進めている。会見で、ビックカメラの塚本智明・常務取締役営業本部長は、「地デジ対応パソコンは、リビング以外で視聴する2台目の地デジ需要に最適。ユーザーに響く利用シーンを訴えることで拡販する」としている。

 パソコンの世帯普及率が一定のラインを超え、国内パソコン市場は成熟段階に入っているとの見方がある。しかも一昨年のリーマン・ショックの影響で、昨年は景気が悪化、パソコンを含めたコンシューマ市場は大きなダメージを受けた。今年に入って個人消費は徐々に上向きつつあるものの、まだまだ先行き不透明な市況感があるといえるだろう。そんななかで、WDLCがパソコンを核に業界全体で取り組んでいく姿勢をみせ、さらには業界の枠を超えながら活動している点から、地デジ普及に向けて大いに期待がかかる。地デジ普及を切り口にしたパソコンの買い替え促進で、再び国内パソコン市場が活性化するのか、注目が集まる。(佐相彰彦)

会見にはパソコンメーカーを中心にWDLCメンバーが集った