米シマンテック(エンリケ・セーラムCEO)が、コンシューマ向けセキュリティソフト「ノートン」で、PCだけでなく、インターネットに接続したあらゆるデバイスをサイバー犯罪から守る新しい戦略を推し進めている。2010年5月に、米国でAndroid端末向けのセキュリティアプリケーションを販売パートナーを介して発売したのを皮切りに、変化するユーザーのIT環境に適した新製品を積極的に投入する。「Norton Everywhere(どこでもノートン)」のキャッチフレーズで展開するこの戦略は、セキュリティをアプリケーションやチップなどの形で提供する“脱パッケージ”が軸になる。

コンシューマ製品部門
デーブ・コール シニアディレクター
 シマンテックのコンシューマ製品部門を統括するデーブ・コール シニアディレクターが9月末に来日し、新しい製品戦略を明らかにした。背景には、スマートフォンやタブレットの普及をはじめ、インターネットを利用する端末の多様化によって、セキュリティ対策を必要とする新しい市場が生み出されたことがある。同社は、この新市場の制覇に向けて、新デバイスに適したセキュリティソリューションの開発・発売を急いでいる。

 第一弾として、5月にアメリカで販売を開始した「モバイル セキュリティ Android」は、ウイルス感染などの脅威に弱いとされるオープンOSのAndroid端末ユーザー向けアプリケーション。マルウェアの検知や、迷惑着信/迷惑メールのブロックなどの機能で、端末を包括的に保護する。販売は、メーカーやキャリアなどのパートナーを経由した間接販売で、ユーザーはダウンロードで端末にインストールする

 米国では、発売から5か月で約5万人のユーザーを獲得。現在、日本をはじめ同社の主要マーケットへ展開している。日本では、「Android端末の各キャリアと交渉中」(コール シニアディレクター)で、遅くとも来年前半までの発売を目指す。

 今後は、モバイル端末に加え、ゲーム機やカーナビゲーション、住宅のセキュリティシステムなど、インターネットに接続するさまざまな端末に向けたセキュリティに力を入れていく。提供の形態は、アプリケーションなどのSaaS型であったり、チップなどの組み込み型であったり、デバイスによって異なるが、「いずれにしても、決してパッケージではない」(コール シニアディレクター)としている。

 「Norton Everywhere」の下、セキュリティの“脱パッケージ”を模索するシマンテック。クラウドを前面に押し出すなどの競合他社の動きも含め、コンシューマセキュリティ市場に大きな変化の兆しがみえる。(ゼンフ ミシャ)