その他
日本IBM 中小企業にミドルウェア拡販 販売実績で昨年の倍増目指す
2003/05/19 21:12
週刊BCN 2003年05月19日vol.990掲載
日本アイ・ビー・エム(日本IBM、大歳卓麻社長)は、これまで大手企業が中心だったミドルウェアのユーザー層を中小企業に拡大していくことを狙いに、今年5月から大手パソコンソフトディストリビュータ経由での製品販売を開始した。
大手ディストリビュータを経由
同社ソフトウェア事業部は昨年7月の組織変更以来、中小企業市場の開拓を目標の1つに掲げてきた。その中で中小企業を開拓するためには、中小企業向けソリューションをもつパートナーとの連携が重要だと判断。大手ディストリビュータを通じ、中小企業に適したソリューションをもつ2次店を発掘し、魅力あるソリューション提供につなげる。
ミドルウェアは、これまでディストリビュータ経由で販売されることが少ない分野のソフトウェアだが、ディストリビュータ側でも付加価値をつけた製品販売ができる新ビジネスとして歓迎しており、日本IBMではミドルウェア製品の販売で昨年実績に対し倍増を狙う。
中堅企業をターゲットにミドルウェア製品を販売していくという計画は、米IBMが世界的に進めているプログラム。日本でも昨年7月にIBMブランドとなったロータス製品、チボリ、さらにDB2、ウェブスフィアなどのミドルウェアの中小企業での活用拡大を狙う。
日本では全世界統一の戦略に加え、IBM製ミドルウェアの国内シェアが、ワールドワイドでは高いシェアをもつ製品が多いものの、国内でのシェアはそれほど高くないという事情がある。
日本IBMではこの要因を、「これまでの販売は直販主体だった。これでは販売本数は拡大しない。シェアを拡大するためには、直販以外のルートを拡充する必要がある」(瀧澤隆・ソフトウェア事業部ビジネスパートナー事業推進部長)と分析。外部ルートの拡充に乗り出した。
外部ルートとしては、パソコンソフトディストリビュータ大手を活用。現在は、ダイワボウ情報システム(DiS)、ソフトバンクBB、コンピュータウェーブ(CW)、ネットウェアの4社が「Value Added Distributer(バリュー・アディド・ディストリビュータ)」となり、独自能力をもった2次店を通じて、中小企業ユーザーに製品を届ける体制を整えた。「今後、拡販を行っていくために、当社側で全てのユーザーサポートを行うのは難しい」(同)と判断し、テクニカルサポートまで行う力があるディストリビュータを選出した。
ただ、ミドルウェア製品を販売するのは初めてというディストリビュータもある。そのため、「日本IBMから人員を出向させてサポート体制や営業体制を作るお手伝いをするなど、ディストリビュータを支援していく。このため、ディストリビュータの数をむやみに増やす予定はない」(同)という。
2次店については、ディストリビュータが独自に掘り起こしを図るのに加え、日本IBMでも開拓を進めている。
中小企業がミドルウェアを導入する場合、「製品を指名して購入」というケースはほとんどなく、業務アプリケーションなどのなかに製品を組み込んでソリューション化する必要がある。このため、「中小企業にとって魅力ある業種・業務アプリケーション、サービスなどのソリューションをもつ2次店に、IBM製ミドルウェアを組み込んだソリューションを作ってもらえるよう、ディストリビュータ側で2次店の掘り起こしを進めてもらうと同時に、日本IBMでも1000社をピックアップ。すでに200社にアプローチを開始した」(同)という。
日本IBMでは、「これまでも中小企業を開拓するとアピールしてきたが、ここまで踏み込んだ施策を実施したことはなく、中小企業ユーザー獲得を本気で進める」(同)方針。同社の戦略転換が、国内ミドルウェア市場の勢力図に一石を投じることは必至だ。
日本アイ・ビー・エム(日本IBM、大歳卓麻社長)は、これまで大手企業が中心だったミドルウェアのユーザー層を中小企業に拡大していくことを狙いに、今年5月から大手パソコンソフトディストリビュータ経由での製品販売を開始した。
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