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<BCN REPORT>米コンピュータ・アソシエイツ(下) 子供向けの支援活動を展開
2003/08/25 15:00
週刊BCN 2003年08月25日vol.1003掲載
米コンピュータ・アソシエイツ(CA、サンジェイ・クマー会長兼CEO)は、子供を対象にした支援事業に積極的だ。行方不明の子供を探し出す団体にソフトを無償で提供し、行方不明の発見率を90%以上に高めたほか、教育分野で小学5年生を対象にしたコンピュータ体験学校を設立するなど、さまざまな慈善活動を行っている。同社では、ソフトウェア市場でシェア拡大を図る一方で、ワールドワイドに展開する約1万6000人の社員がボランティアを通じてコミュニケーションを強化し、士気を高めている。(佐相彰彦)
ソフトの無償提供とコンピュータ体験学校
■子供の発見率が93%に
米国で行方不明の子供を探し出す運動を行っているNCMEC(NATIONAL CENTER FOR MISSING & EXPLOITED CHILD
REN)は、CAの情報ポータル製品「クレバーパス・ポータル」を2003年1月に導入した。その結果、子供の発見率が60%から93%に上昇した。NCMECは、目撃情報や過去の行方不明データなどから子供の居場所を絞り込むツールとしてクレバーパスを活用している。
NCMECのリック・ミニクッチCTOは、「米国では、家庭内の問題や誘拐事件などに巻き込まれることによって、1日平均2300人の子供が行方不明になっている。なかでも、犯罪に巻き込まれた場合は子供の命に関わる危険性が高い」と、子供を早期に発見する重要性を語る。
クレバーパスの導入前は、居場所を特定するために、紙と鉛筆を使うなど手作業に頼っていたという。しかも、目撃情報のなかにはそれほど重要でないものもある。「藁の山から針1本を探し出すほどの作業だった」と振り返る。
クレバーパス導入後は、子供の性格や私生活などの基礎情報をはじめ、行方不明になった場所、各地域の過去の犯罪および犯罪未遂の履歴、目撃情報などのデータを照合。これにより、誘拐事件なのか迷子なのかを分析し、居場所を絞り込むことが可能になった。
NCMECの設立は1985年。今年7月時点で累計で約7万9000人の行方不明の子供を探し出した。
「子供の行方不明件数はますます増大する可能性が高い」と危惧しており、「今後は、過去のデータにもとづく分析に加え、将来の危険度の予測を立てることなどを行っていきたい」と、事前に対策を立てホームページなどで情報を公開していく方針だ。
■コンピュータ教育を訴求
CAでは、小学5年生を対象にしたコンピュータ教室「デジタルスクールハウス」を00年に設立し、小学生のコンピュータスキル向上に力を入れている。受講した児童はすでに5000人を超えた。
このコンピュータ教室は、米国内のすべての小学校が対象。ニューヨークにある施設を児童が訪れ、1日コースで体験学習する。ここでは、パソコンの基本的な使い方のほか、CAの社員になったことを想定した講座も用意。各児童が営業担当者やシステム開発者、経理担当者などになり、その役割に応じたパソコンの使い方を学ぶ。
同教室の運営者でもあるCAのリサ・マーズ・シニアバイスプレジデントは、「子供たちが実際にパソコンに触れる場を提供するほか、教職員のパソコンスキル向上にもつなげている」と話す。米国の多くの小学校ではパソコンルームを設けているが、パソコンに詳しい教職員が少ないことで、小学生のパソコンスキルが向上しないケースもあるという。
小学5年生を対象にしているのは、「パソコンに関する知識を吸収しやすい最適な年齢と判断したため」としている。現在はニューヨークに1校あるのみだが、将来的にはシカゴにも建設する予定だ。
CAの社員は、同社の通常業務を行う一方で、ボランティア活動にも積極的に参加している。年間で最も多くボランティアに参加した社員を表彰する制度などを設けているという。これは、「ボランティアを通じて、ワールドワイドでの社員間のコミュニケーションを図り、全社的に士気を高める」(広報担当者)狙いでもある。
米コンピュータ・アソシエイツ(CA、サンジェイ・クマー会長兼CEO)は、子供を対象にした支援事業に積極的だ。行方不明の子供を探し出す団体にソフトを無償で提供し、行方不明の発見率を90%以上に高めたほか、教育分野で小学5年生を対象にしたコンピュータ体験学校を設立するなど、さまざまな慈善活動を行っている。同社では、ソフトウェア市場でシェア拡大を図る一方で、ワールドワイドに展開する約1万6000人の社員がボランティアを通じてコミュニケーションを強化し、士気を高めている。(佐相彰彦)
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