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<BCN REPORT>米コンピュータ・アソシエイツ(上) 「ca world2003」を開催
2003/08/11 15:00
週刊BCN 2003年08月11日vol.1002掲載
ソフト開発大手の米コンピュータ・アソシエイツ(CA、サンジェイ・クマー会長兼CEO)は、システムの統合的な管理をベースに企業のITリソースをユーティリティ化する「オンデマンド・コンピューティング」戦略を本格化させる。「マネジメント(管理)」をコンセプトに、システム統合管理やストレージ管理、セキュリティ管理を中心に、同社のさまざまな製品を組み合わせて顧客が求めるシステムを提供する。ハードウェアに依存しないソフトウェアメーカーとしての柔軟性を武器に、ハードメーカーとのアライアンスも積極的に行っていく。(佐相彰彦)
オンデマンド・コンピューティング戦略を提唱
■3つのブランドを核に
米ネバダ州ラスベガスでこのほど開催されたユーザーカンファレンス「ca world2003」で、CAは「オンデマンド・コンピューティング」戦略を打ち出した。
サンジェイ・クマー会長兼CEOは、「オンデマンド・コンピューティングの分野では、IBMがe-ビジネス・オンデマンド、ヒューレット・パッカード(HP)がアダプティブ・インフラストラクチャなどをコンセプトにビジネスを展開しているが、当社の戦略はそれらとは全く異なるものだ」と言い切る。
「IBMではアウトソーシングでのオンデマンド実現に力を入れている。しかし、現段階では提供し切れていない。また、ある特定の1社のハードウェアでしかオンデマンドを実現できない。これではオンデマンドの基本的考え方とかけ離れている」と、競合他社を牽制する。
CAが提供するオンデマンド・コンピューティングのコンセプトは、「いかにシステムをマネジメント(管理)できるか」だという。
システム統合管理「ユニセンター」と、ストレージ管理「ブライトストア」、セキュリティ管理「eトラスト」という3つのブランドを核に、「さまざまな自社製品を組み合わせて、顧客が求めるシステムを実現する」という。
企業のシステム環境についてクマー会長兼CEOは、「レガシーシステムを外すことはできないが、一方で、複雑なシステムをより簡素化することを求めている」と語る。
しかも、「IT投資によって高いROI(投資対効果)を確実に実現できるシステムを導入したいというニーズが高い。既存システムの一元管理を可能にし、環境の変化に対応できる柔軟性が必要となる」と強調する。
こうした状況を踏まえ、オンデマンド・コンピューティングのポイントは、「特定のハードウェアに依存しないことだ」と指摘。「ソフトウェアを切り口に、柔軟性が高いシステムを提供できることが最大の武器」と、CAがオンデマンドの実現を早める要素を充分にもっていることをアピールしている。
■アライアンスを強化
オンデマンドの提供を加速することについては、「さまざまなハードメーカーとのアライアンスが可能」と、主力のパッケージ販売ビジネスに加え、ハード製品へのバンドルも視野に入れている。
最近では、ソニーとストレージ分野で協業することを発表して注目を集めた。
具体的には、ストレージ管理製品「ブライトストア」と、ソニーのテープドライブ「ストアステーション」などを組み合わせる。これによって、米国や日本を含むアジア、欧州におけるエンタープライズおよびミッドレンジ向けストレージ市場で拡販していく体制を整えた。
この協業については、「きわめて重要なものだ。ソニーは、メディアやエンタテインメントなどの分野で強い存在だ。ソニーと当社の製品との融合により、さらなる力を発揮していきたい」と抱負を語る。
「日本でのストレージ市場を拡大していくことをアピールする点でも大きなアライアンスとなった」(クマー会長兼CEO)としている。
オンデマンド・コンピューティング戦略を掲げたことについて、クマー会長兼CEOは、「顧客との信頼関係をより強固にするため」と言い切る。
■大きな位置を占める日本市場
日本市場は、アライアンスに関してビジネスを拡大するための大きな位置を占めている。
日本では、6割以上が間接販売であり、パートナーを通じたビジネスを主流としている。CA日本法人の三ツ森隆司社長は、「将来的には、ハード製品に当社ソフトをプラグインすることをビジネス拡大の1つの手段として想定している」と話す。
今年度、「営業・マーケティング統括本部」を設置し、その下に「営業本部」と、ビジネスパートナーを支援する「ビジネスディベロップメント推進室」、企画などを行う「マーケティング部」という体制を敷いた。さらに、さまざまな顧客に対応するため、営業本部の人員を約1.5倍に増やした。今後は、日本市場向けの製品を次々と発売し、新マーケットの創出に力を入れていく。
バックアップ製品の「ブライトストア・アークサーブ」では、バンドル販売で一部提供しているケースもある。オンデマンドをコンセプトに、「インフラ部分のマネジメントを行っていく」(三ツ森社長)方針だ。
ソフト開発大手の米コンピュータ・アソシエイツ(CA、サンジェイ・クマー会長兼CEO)は、システムの統合的な管理をベースに企業のITリソースをユーティリティ化する「オンデマンド・コンピューティング」戦略を本格化させる。「マネジメント(管理)」をコンセプトに、システム統合管理やストレージ管理、セキュリティ管理を中心に、同社のさまざまな製品を組み合わせて顧客が求めるシステムを提供する。ハードウェアに依存しないソフトウェアメーカーとしての柔軟性を武器に、ハードメーカーとのアライアンスも積極的に行っていく。(佐相彰彦)
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