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システム開発 自動化ツールを売り込め! 業界が団結して、普及促進へ
2006/09/11 14:53
週刊BCN 2006年09月11日vol.1153掲載
システム開発自動化ツールを提供する国内ソフトウェア会社8社は、同ツールの認知度向上と普及拡大に向けて、任意団体を設立した。自動化ツールは国産製品がほとんどで、“日本のお家芸”の分野ともいわれている。国内では、20社程度が自動化ツールを開発・販売しているが、これまで広く普及してこなかった。しかし、1-2年前からシステム開発の「不採算案件」が相次ぎ、「下流工程の実装を自動化する必要がある」という機運が、大手受託ソフト開発会社を中心に芽生え始めた。任意団体では、この時流に乗り、一気に市場を拡大しようと、業界全体への働き掛けを強めている。(谷畑良胤●取材/文)
「不採算案件」頻発で注目度UP
■展示会でも訪問者が急増
今年6月にキヤノンソフトウェアを事務局として、ケン・システムコンサルティングやCAIメディア共同開発など8社で「システム開発自動化推進の会」を設立した。同月末に開催された「ソフトウェア開発環境展(SODEC)」では、同会でゾーンを出展し、参加各社の自動化ツールを展示。開催4日間で、SIerや企業の情報システム担当など約500人が各ブースに訪れる盛況ぶりだった。キヤノンソフトらが個別に出展した昨年に比べ、10倍以上の訪問者があり、啓蒙活動としては「大成功」に終わったという。
最近では、基幹システムを除くフロントの業務アプリケーションをウェブ化する需要が高まっている。企業のシステム開発を一括受注する大手SIベンダーや企業の情報システム担当では、この業務アプリを独自のJavaフレームワークで構築するが、この技術習得に時間を要するほか、広く活用が進むフリーウェアと基盤環境の知識が求められるため、SE次第で品質に差が出る。
加えて、下流工程の業務アプリ開発を中国やインドなど「オフショア開発」する傾向があるものの、言語や習慣の違いから行き違いが生じる例も増えている。業務アプリを大手SIベンダーなどの下請けで担うソフト会社などが、自社の仕事を奪われかねないと自動化ツールの採用に二の足を踏んでいたことも、普及を遅らせた理由だろう。
■下流工程に生かしてミスを防ぐ
そこで、同会はこんな提案をしている。事務局であるキヤノンソフトの加藤正樹・商品企画本部本部長は「大手SIベンダーや情報システム担当者は、システム開発の上流工程である基本設計や基幹システムの構築に人手を割き、下流工程の実装を自動化ツールで簡略化する。そうすれば、作業ミスを防げ、『不採算案件』を減らすことができるのでは」という。
「オフショア開発」は、コスト削減策として採用が相次いでいる。しかし、想定通りの効果が出ない例も増え、見直す機運も生まれている。大手SIベンダーから請け負うソフト会社が自動化ツールを利用すれば、「国内オフショア」として地方ソフト会社にも出番が回ってくる可能性がある。このところ、ソフト開発業界では、「ものづくり」を国内IT技術者で担うべきとの“思想”が醸成されつつあり、日本固有の自動化ツールの需要を喚起する絶好の機会になっている。
加藤本部長は「会として成功事例を積極的にアピールし、自動化する範囲を広げる。人手を必要とする部分と、重要部分の開発のすみ分けを明確にする機運を盛り上げる」と、同会参加社を20社程度に増やすほか、利用企業の参加も呼びかける方針だ。
IBMやボーランドなど米国会社の開発ツール市場は、世界で600億円といわれる。この中に自動化ツールは含まれていない。加藤本部長は「自動化ツールを含めれば、1000億円市場に成長させることも夢ではない」と強気だ。国内市場での助走は成功裏に終り、「普及期」に差し掛かった。9月27日には、「秋季会議」を開催し、今後の積極策を打ち出すが、現段階から世界で日本固有の自動化ツールを流通させる仕組みを検討する必要がありそうだ。
システム開発自動化ツールを提供する国内ソフトウェア会社8社は、同ツールの認知度向上と普及拡大に向けて、任意団体を設立した。自動化ツールは国産製品がほとんどで、“日本のお家芸”の分野ともいわれている。国内では、20社程度が自動化ツールを開発・販売しているが、これまで広く普及してこなかった。しかし、1-2年前からシステム開発の「不採算案件」が相次ぎ、「下流工程の実装を自動化する必要がある」という機運が、大手受託ソフト開発会社を中心に芽生え始めた。任意団体では、この時流に乗り、一気に市場を拡大しようと、業界全体への働き掛けを強めている。(谷畑良胤●取材/文)
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