Computexは、最初の3日間がバイヤー向けに設定されており、この期間での参加が絶対条件となる。特に初日が重要で、朝一番での入場は大きな意味を持つことを忘れてはならない。今年から、やや場所の離れた「南港」にSOFT部門と海外企業のブースが設置されたが、メインは世界貿易中心(センター)にあり、まずここをくまなく見て回ることを強く勧める。以下、最も効率的な巡回方法を紹介する。
まず、
前回でも紹介した通り、IDカードは必ず事前に入手しておくこと。当日受付の場合、初日は大混雑で大きくタイムロスするので、決して勧められない。メインの会場は1階にA、B、Cのゾーンがあり、目立たない2階にはHゾーンがある。初日はまずこの4つのゾーンをすべて巡回する。
1階のA-Cは、それぞれジャンルに分かれているが、必ずしも明確でないので注意したい。日本では考えにくいが、「おや!?」と思うような企業が混じっている場合もある。
A、B、Cのそれぞれの接点になっている場所が全会場の中心企業で、ここでの出品商品はほぼ間違いなくトレンドとなっていくので、見落としてはならない。大抵は派手なパフォーマンスで集客を行っており、とても目立つ。つい、見とれてしまうが、ここでの情報収集は最後に回しても構わない。それより筆者が勧めたいのは2階のHゾーンで、ジャンルには分かれてはいないが、新進の企業のブースがひしめいている。ブースのコマは狭いが、料金が安いため、新規参入はまずここからスタートすると思っていい。Hゾーンは、ブース自体が小さいので出展企業数は多い。

ここで、見て回る方法を紹介する。巡回には小型のICレコーダーを携行しよう。メモを取るよりも音声のほうが断然有利である。気になるブースを見つけたら、ブース番号などの情報(「H123、製品名、コメント」といったこと)を吹き込む。後でこれを聞きながらブースの一覧表を作成し、目的を絞り込んで詳細な情報収集を行うのが最も効率的である。
言語についても触れておこう。ブース出展企業は英語が100%通じると思っていい。商談にくる企業は世界各国からであるため、英語が標準語となっている。言語が不得意の人が中国語の通訳を雇っているのをよく見かけるが、お勧めできない。ITに関しては中国語は不向きな言語なので、通訳を介しての会話は相当の時間を要するからだ。(若尾和正(ベガシステムズ社長)●文)