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| マーク・ウエストオーバ副社長 |
データベースベンダーの米サイベースは、第3四半期の決算で史上最高の業績をあげた。総売上高は、2億9340万ドル(前年同期2億8400万ドル)、ライセンス売上高は9620万ドル(前年同期9290万ドル)と伸びをみせたほか、データベース・ライセンス売上高が32%増、メッセージング売上高が18%増となった。グローバル市場と国内におけるパートナー戦略とその取り組みについて、来日した副社長(パートナー・ディベロップメント)のマーク・ウエストオーバ氏に聞いた。
——今回の来日は、パートナーを強化するためか。 あくまでもパートナーからのヒアリングのためだ。11月25日には、ビジネスインテリジェンス製品の「Sybase IQ」のパートナーとのミーティング「パートナー・ランチカンファレンス」を開催した。NTTデータとNTTデータ先端技術、マイクロストラテジー・ジャパンとは、データウェアハウス・アプライアンスの「Sybase Analytic Appliance」をベースにソリューション展開しているという実績があり、ここ数年、「Sybase IQ」のビジネスに力を入れてきている。成果は出始めているが、さらに成長するためにビジネスを拡大していきたいと考えている。
——日本市場は、どのような位置づけか。 日本は世界第2位の経済大国で、米国に次いで2番目に大きなIT市場である。グローバルでみた売り上げのうち、半分以上は米国以外であり、日本の市場を重要視している。
——世界的な経済不況下にあって、好調を維持しているようだが。 昨今の経済事情で他社の売り上げが縮小しているなかでは、非常に好調といえるだろう。当社では、5~6年前から「Unwired Enterprise」という戦略を掲げている。つまり、企業間や部門間のあらゆる情報を利用すべき人間がいつでも利用できるようなソリューションを提供するものだ。モバイルネットワークに対する企業ニーズは旺盛で、広く受け入れられてきたと考えている。ただ、成長を続けるためには、パートナー戦略が重要になる。40~45%がパートナーを経由した売り上げであり、ここを強化すれば効果があるはず。
——具体的にどのような取り組みをしているのか。 海外ではパートナーセールストレーニングプログラムを活用し、パートナー強化を図っている。日本には、そのなかでも優れた事例を紹介している。パートナーとは共同でマーケティングや営業活動をしていく。パートナーを増やすことは念頭にない。むしろグローバルでは減る傾向にある。より少数精鋭でやっていく方針を掲げている。
——日本に関しては、“様子見”なのか。 北米では、「Sybase IQ」パートナーが10社存在し、強化プログラムを推進している。パートナーシップに関しては、3階層に分けている。アジアに関しては、これからどう定義していくかを検討している段階にある。(信澤健太)